1. 企業情報
中国塗料は、船舶用塗料で世界的に高いシェアを持つ企業です。その他、工業用塗料やコンテナ用塗料も手掛けています。1917年の創業で、東京に本社を置き、世界20カ国以上に拠点を展開しています。修繕船向けの塗料が成長を牽引しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
中国塗料は、船舶用塗料市場において世界的に高いシェアを誇り、国内シェアは約6割と圧倒的です。競合他社との競争はありますが、長年の実績とグローバルな販売網により、競争優位性を確立しています。修繕船向け塗料の需要増加が追い風となっています。
課題: 原材料価格の変動や、国際的な環境規制強化への対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン: 船舶用塗料を主力としつつ、工業用塗料など多角的な事業展開を図っています。
中期経営計画: 2025年3月期の決算短信からは、製造コストに見合った販売価格の適正化、高付加価値製品の販売推進、環境対応型製品の拡販などが重点分野として挙げられています。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル: 船舶用塗料を主力とし、安定した収益基盤を築いています。修繕船向け塗料の需要増加や、高付加価値製品の販売が収益を押し上げています。
市場ニーズへの適応力: 環境規制への対応や、新技術の開発など、市場ニーズの変化に柔軟に対応しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 環境負荷低減に貢献する塗料の開発に注力しています。
主力製品: 船舶用塗料が収益の大部分を占めています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,910.0円（2025年4月11日終値）
- PER（会社予想）: 7.01倍 (業界平均: 20.4)
- PBR（実績）: 1.21倍 (業界平均: 1.1)
- EPS（会社予想）: 272.32円
- BPS（実績）: 1,578.98円
PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月10日には2,021円まで上昇しましたが、その後は下落傾向にあり、1,910円で取引を終えています。年初来高値（2,429円）からは大きく下落しており、安値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去1年間で116,174百万円と、前期（99,481百万円）から増加しています。
営業利益: 過去1年間で12,185百万円と、前期（3,887百万円）から大幅に増加しています。
当期純利益: 過去1年間で9,892百万円と、前期（3,848百万円）から大幅に増加しています。
ROE（実績）: 15.37%
ROA（過去12か月）: 6.77%
自己資本比率（実績）: 53.3%
売上高、利益ともに増加しており、業績は好調です。ROEも高く、効率的な経営が行われていると考えられます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 4.71%
1株配当（会社予想）: 90.00円
高い配当利回りで、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買い残は減少、信用売り残は少ない状況です。
株価への影響要因:
- 世界的な海運需要の動向
- 原材料価格の変動
- 円相場の変動
- 環境規制強化への対応
11. 総評
中国塗料は、船舶用塗料市場で高いシェアを持ち、安定した収益基盤を築いています。業績は好調で、高い配当利回りも魅力的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも安値圏に位置しています。ただし、直近の株価は下落傾向にあるため、今後の株価動向には注意が必要です。世界的な海運需要の動向や、原材料価格の変動、円相場の変動、環境規制強化への対応など、注視すべき点も多く、中長期的な視点での投資が推奨されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4617 |
| 企業名 | 中国塗料 |
| URL | http://www.cmp.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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