1. 企業情報
日本インシュレーションは、ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とする耐火・断熱材の製造・販売を主軸とする企業です。高層ビル、プラント、発電所向けに、耐火建材、保温材の製造から設計、施工までを手掛けています。省エネ・防災関連の需要を取り込み、安定した事業基盤を築いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本インシュレーションは、耐火・断熱材の分野で一定のシェアを有していると考えられます。高層ビルやプラント建設における需要は安定しており、技術力と実績を強みに、競合他社との差別化を図っています。
競争優位性:
- 高度な技術力：ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とする製品は、高い耐火性能と断熱性能を提供します。
- 設計・施工までの一貫体制：製造だけでなく、設計・施工まで手掛けることで、顧客ニーズへの柔軟な対応と、高い付加価値を提供しています。
課題:
- 建設需要の変動：建設業界の景気変動の影響を受けやすい可能性があります。
- 原材料価格の変動：原材料価格の高騰は、利益を圧迫する可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
日本インシュレーションの経営戦略は、省エネ・防災関連の需要を取り込み、高付加価値製品の提供を通じて、収益性の向上を目指していると考えられます。
中期経営計画:
- 詳細な中期経営計画は公開されていませんが、高層ビルやプラント、発電所向けの耐火建材・断熱材の需要を取り込み、事業の拡大を目指していると推測できます。
重点分野:
- 高付加価値製品の開発：技術革新を通じて、より高性能な製品を開発し、差別化を図る。
- 顧客ニーズへの対応：設計・施工まで含めた一貫体制を活かし、顧客の多様なニーズに対応する。
4. 事業モデルの持続可能性
日本インシュレーションの事業モデルは、高層ビルやプラント建設における耐火・断熱材の需要に支えられています。省エネ・防災意識の高まりを背景に、中長期的な需要が見込めます。
収益モデル:
- 耐火・断熱材の製造・販売
- 設計・施工サービス
市場ニーズの変化への適応力:
- 技術革新による製品の高機能化
- 顧客ニーズへの柔軟な対応
- 法規制への対応
5. 技術革新と主力製品
日本インシュレーションは、ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とする耐火・断熱材の製造技術を有しています。
技術開発の動向と独自性:
- 耐火性能、断熱性能の向上
- 環境負荷低減への取り組み
収益を牽引している製品やサービス:
- 耐火建材
- 保温材
- 設計・施工サービス
6. 株価の評価
現在の株価852円は、以下の指標に基づき評価します。
* PER（会社予想）: 9.60倍 (業界平均:7.3)
* PBR（実績）: 0.55倍 (業界平均:0.7)
* EPS（会社予想）: 88.78円
* BPS（実績）: 1,546.20円
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移をみると、4月1日から4月11日までの間に、938円から852円まで下落しており、下落トレンドにあると考えられます。
* 年初来高値：945円
* 年初来安値：818円
* 50-Day Moving Average: 903.48
* 200-Day Moving Average: 916.34
移動平均線は、株価の上値を抑えるように推移しており、テクニカル的には弱気相場を示唆しています。
8. 財務諸表分析
過去の財務データから、売上高、利益、キャッシュフロー、ROE、ROAなどの指標を評価します。
損益計算書（過去12ヶ月）:
- 売上高: 12,537百万円
- 営業利益: 1,458百万円
- 当期純利益: 975百万円
財務指標:
- ROE（実績）: 7.56%
- ROA（過去12ヶ月）: 3.61%
- 自己資本比率（実績）: 73.6%
過去の傾向:
- 2024年3月期第3四半期決算短信によると、売上高は減少、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は減少しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.34%
- 1株配当（会社予想）: 37.00円
- 配当性向: 38.96%
高い配当利回りは魅力的ですが、業績悪化による減配リスクも考慮する必要があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動: 下落傾向
- 株価への影響を与える要因: 業績、市場全体の動向、金利上昇、原材料価格の変動など。
- 信用取引: 信用買残100,200株、信用倍率0.00倍。
11. 総評
日本インシュレーションは、耐火・断熱材分野で安定した事業基盤を持つ企業です。高配当利回りは魅力的ですが、業績の悪化、株価の下落傾向、割高感のあるPERなど、注意すべき点もあります。
* 中立: 業績の回復、今後の株価の動向を注視する必要があります。
* リスク: 業績悪化による減配リスク、建設需要の変動、原材料価格の高騰など。
* 注目点: 2025年5月13日の決算発表の内容に注目し、今後の業績見通しを確認する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5368 |
| 企業名 | 日本インシュレーション |
| URL | http://www.jic-bestork.co.jp |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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