1. 企業情報
神栄は、食品、物資、繊維、電子関連事業を展開する企業です。特に、冷凍食品の輸入、湿度センサーの世界トップシェア、PPフィルムコンデンサ、防災関連事業などが特徴です。1887年創業と歴史があり、神戸に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: 湿度センサーで世界トップシェアを獲得しており、技術的な強みを持っています。また、冷凍食品の輸入事業も安定した収益源となっています。
- 課題: 業績は、世界経済や国内経済の影響を受けやすく、特に電子部品や食品関連の市況変動に左右されます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」を策定し、2027年3月期までの3年間で連結経常利益55億円以上を目標としています。
- 重点分野:
- 食品関連：品質管理体制を活かした医療・老健施設向けなどのルートへの販売強化。
- 電子関連：電子部品業界の回復基調への対応。
- 防災関連：新規現地調査案件への注力。
- 事業開発関連：新規事業やビジネスモデルの開発。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 食品輸入、電子部品、防災関連など、多角的な事業展開により、リスク分散を図っています。
- 市場ニーズへの適応力: 湿度センサーなど、ニッチ分野での技術力を活かした製品開発や、市場ニーズに合わせた事業展開が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 湿度センサーで世界トップシェアを獲得しており、電子部品分野での技術力に強みがあります。
- 主力製品: 湿度センサー、冷凍食品、PPフィルムコンデンサなど。
6. 株価の評価
- PER (会社予想): 4.91倍 (業界平均: 10.1)
- PBR (実績): 0.74倍 (業界平均: 0.7)
- EPS (会社予想): 317.42円
- BPS (実績): 2,110.23円
PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRも業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月7日に1402円まで下落した後、上昇傾向にあります。200日移動平均線（1655.95円）を下回っており、50日移動平均線（1644.18円）も下回っていることから、現時点では、やや下落トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で402億円。
- 営業利益: 過去1年間で17.94億円。
- 純利益: 過去1年間で16.55億円。
- ROE (実績): 26.99%
- ROA (過去12か月): 3.23%
- 自己資本比率: 28.7%
売上高は安定していますが、利益率は変動があります。ROEは高い水準を維持しています。
過去の傾向: 2025年3月期第3四半期決算では、売上高は減少、営業利益、経常利益、純利益も減少しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 5.77%
- 1株配当 (会社予想): 90.00円
- 配当性向: 24.32%
- 自社株買い: なし
高い配当利回りは魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近では、下落から反発し、上昇傾向にあります。
- 株価への影響要因: 業績、配当、世界経済の動向、電子部品や食品関連の市況などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
神栄は、食品、電子部品、防災関連など多角的な事業を展開し、高い技術力と安定した収益基盤を持つ企業です。高い配当利回りも魅力的です。
ポジティブな点:
- 高い配当利回り
- PERが割安
- 湿度センサーでの高い技術力
- ROEが高い
ネガティブな点:
- 業績は世界経済や市況の影響を受けやすい
- 直近の決算では減収減益
総合的な見解:
現在の株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。しかし、業績の変動リスクや、世界経済の動向、電子部品や食品関連の市況に注意が必要です。投資を検討する際は、これらのリスクを十分に考慮し、ご自身の投資判断に基づいて行うようにしてください。
企業情報
| 銘柄コード | 3004 |
| 企業名 | 神栄 |
| URL | http://www.shinyei.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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