1. 企業情報
戸田建設は、建築・土木工事を主力とする準大手ゼネコンです。病院や学校などの公共性の高い建築物に強みを持っています。また、浮体式洋上風力発電事業にも注力しており、再生可能エネルギー分野での成長も目指しています。1881年創業の歴史ある企業で、堅実な経営が特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
戸田建設は、ゼネコン業界において準大手として位置づけられています。大手ゼネコンと比較すると、特定の分野（病院、学校など）に強みを持つことで差別化を図っています。建設業界は競争が激しく、人手不足や資材価格の高騰といった課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画において、建築、土木事業の強化に加え、海外事業や浮体式洋上風力発電などの再生可能エネルギー事業への投資を重点的に行っています。ROIC（投下資本利益率）5%以上を収益性の管理指標として設定し、効率的な経営を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
戸田建設の収益モデルは、建築・土木工事の請負が中心です。公共事業だけでなく、民間からの受注も獲得することで、安定的な収益基盤を構築しています。洋上風力発電などの再生可能エネルギー分野への参入は、将来的な成長の柱となる可能性があります。市場ニーズの変化への対応として、高付加価値の技術開発や、環境配慮型の建設への取り組みが重要になります。
5. 技術革新と主力製品
戸田建設は、浮体式洋上風力発電技術の開発に注力しています。この技術は、今後の再生可能エネルギー市場での競争力を高める可能性があります。主力製品は、病院、学校、オフィスビルなどの建築物や、道路、橋梁などの土木構造物です。
6. 株価の評価
- 株価: 823.8円 (2025年4月11日終値)
- PER（会社予想）: 13.51倍 (業界平均: 14.0倍)
- PBR（実績）: 0.74倍 (業界平均: 1.1倍)
- EPS（会社予想）: 60.98円
- BPS（実績）: 1,120.66円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月1日には900円台まで上昇しましたが、その後は調整局面に入り、800円台前半で推移しています。年初来高値は1,003円、年初来安値は758円です。50日移動平均線は914.14円、200日移動平均線は957.78円となっており、株価は移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は522,434百万円。
- 営業利益: 2024年3月期は17,908百万円。
- 当期純利益: 2024年3月期は16,101百万円。
- ROE（実績）: 4.84%
- 自己資本比率（実績）: 40.0%
過去数年の財務データから、売上高は安定的に推移しており、利益も回復傾向にあります。自己資本比率も40%と高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.52%
- 1株配当（会社予想）: 29.00円
- 配当性向: 36.82%
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇と下落を繰り返す展開となっています。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高まっている可能性があります。2025年3月期の第3四半期決算発表後、株価は上昇しましたが、その後は調整局面に入っています。
11. 総評
戸田建設は、堅実な経営と安定した収益基盤を持つ準大手ゼネコンです。病院、学校などの公共性の高い建築物に強みがあり、浮体式洋上風力発電事業への注力は、将来的な成長の可能性を示唆しています。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、建設業界特有の人手不足や資材価格高騰といったリスクも考慮する必要があります。今後の業績動向と、再生可能エネルギー事業の進捗に注目していくことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1860 |
| 企業名 | 戸田建設 |
| URL | http://www.toda.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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