1. 企業情報
大日本塗料は、塗料大手として、国内塗料、海外塗料、照明機器、蛍光色材などの事業を展開しています。特に重防食向けの塗料に強みを持ち、建材や車両向けにも製品を提供しています。国内塗料事業が売上の大半を占めており、三菱グループとの関係も深い企業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
大日本塗料は、国内塗料市場で4位のポジションを占めています。重防食分野での強みは、競争優位性の一つです。課題としては、国内塗料市場の成熟化や、競合他社との価格競争が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画において、売上高の拡大、収益性の向上、事業ポートフォリオの最適化などを目指していると考えられます。具体的な施策としては、海外事業の強化、高付加価値製品の開発、コスト削減などが考えられます。直近の決算短信からは、照明機器事業の成長や、国内塗料事業における価格是正への取り組みが伺えます。
4. 事業モデルの持続可能性
大日本塗料の収益モデルは、塗料の販売と、照明機器、蛍光色材などの関連事業によって支えられています。市場ニーズの変化への適応としては、環境対応型塗料の開発や、自動車関連分野への注力などが考えられます。
5. 技術革新と主力製品
大日本塗料は、重防食塗料や、環境対応型塗料などの技術開発を行っています。主力製品としては、橋梁やプラント向けの重防食塗料、住宅建材向け塗料などが挙げられます。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 7.42倍（業界平均：20.4）
- PBR（実績）: 0.52倍（業界平均：1.1）
- EPS（会社予想）: 151.02円
- BPS（実績）: 2,134.26円
PER、PBRともに業界平均と比較して低く、割安感があります。
現在の株価1120円は、EPS151.02円から計算すると、PERは7.42倍となり、割安な水準と言えます。BPS2,134.26円から計算するとPBRは0.52倍となり、こちらも割安感を示しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月11日の終値は1120円であり、年初来安値1005円からは上昇していますが、年初来高値1314円からは下落しています。50日移動平均線1211.68円、200日移動平均線1151.94円を下回っており、短期的には下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で719.4億円。過去5年間で増加傾向にあります。
- 営業利益: 過去12ヶ月で49.02億円。2024年3月期は39.46億円、2023年3月期は31.84億円と、着実に増加しています。
- ROE（実績）: 8.24%
- ROA（過去12か月）: 3.05%
- 自己資本比率（実績）: 58.6%
売上高、営業利益ともに増加傾向にあり、財務体質は良好です。ROE、ROAも一定の水準を維持しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.38%
- 1株配当（会社予想）: 49.00円
- 配当性向: 17.94%
高い配当利回りで、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買い残は減少、信用売り残も減少しており、売り方の買い戻しが進んでいる可能性があります。
11. 総評
大日本塗料は、塗料市場で安定した地位を築き、財務状況も良好です。高い配当利回りも魅力的です。ただし、株価は短期的には下落トレンドにあり、今後の業績動向や、国内塗料事業の課題への対応に注目する必要があります。
割安感があり、今後の成長余地も期待できるため、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 4611 |
| 企業名 | 大日本塗料 |
| URL | http://www.dnt.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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