1. 企業情報
- 事業内容: 電気工事を主力とする企業。中部電力の関連会社であり、電力インフラ（配電線工事など）に強みを持つ。一般の電気工事や、太陽光発電などの再生可能エネルギー関連の工事も手掛けている。その他、情報通信、空調設備工事なども行う。
- 特徴: 電力インフラへの高い依存度と、中部電力との強固な関係が特徴。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電気工事業界の大手。特に中部電力管内での配電工事において高いシェアを持つと推測される。
- 競争優位性: 中部電力との安定的な取引関係、長年の実績に基づく技術力、豊富な工事ノウハウ。
- 課題: 中部電力への依存度の高さ、建設業界の人手不足、資材価格の変動リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画2027（2023年度～2027年度）において、成長分野への挑戦、既存事業の深化、人材投資の拡充、経営基盤の強化を掲げている。
- 重点分野:
- 再生可能エネルギー関連工事の拡大
- 情報通信分野への注力
- 一般顧客向け工事の強化
- 人材育成と技術力向上
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 電力インフラ工事を基盤とし、一般電気工事、再生可能エネルギー関連工事、情報通信工事など多角的な事業展開。
- 市場ニーズへの適応力: 再生可能エネルギーや情報通信分野への事業拡大により、市場ニーズの変化に対応しようとしている。
- リスク: 中部電力の設備投資動向に業績が左右される可能性、建設業界の人手不足によるコスト増加。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 電力インフラの効率化、省エネ技術、再生可能エネルギー関連技術の開発。
- 主力製品/サービス: 配電線工事、一般電気工事、太陽光発電設備工事、情報通信ネットワーク構築。
6. 株価の評価
- 株価: 899.0円 (2025年4月11日終値)
- PER (会社予想): 9.63倍 (業界平均: 14.0)
- PBR (実績): 0.64倍 (業界平均: 1.1)
- EPS (会社予想): 93.38円
- BPS (実績): 1,403.73円
- 評価: PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感がある。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は変動が大きく、上昇と下降を繰り返している。2025年4月7日には年初来安値796円を記録し、その後は回復傾向にある。
- 移動平均線: 50日移動平均線は982.98円、200日移動平均線は956.05円。現在の株価は両移動平均線を下回っている。
- 判断: 短期的な株価は不安定だが、中期的な上昇トレンドへの転換を模索している段階とみられる。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は232,052百万円、2025年3月期は252,863百万円と増収傾向。
- 営業利益: 2024年3月期は10,287百万円、2025年3月期は15,910百万円と大幅増益。
- 経常利益: 2024年3月期は-4,046百万円、2025年3月期は14,985百万円と大幅増益。
- 純利益: 2024年3月期は-5,548百万円、2025年3月期は9,345百万円と大幅増益。
- ROE (実績): 7.53%
- ROA (過去12か月): 3.29%
- 自己資本比率: 43.0%
- 評価: 2025年3月期は増収増益で、業績は好調。自己資本比率も高く、財務体質は安定している。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 4.45%
- 1株配当 (会社予想): 40.00円
- 配当性向: 40.88%
- 株主還元策: 配当を実施。2025年3月期第2四半期には創立80周年記念配当を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間の株価は不安定な動き。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向、信用倍率は高い。
- 株価への影響要因: 業績動向、電力インフラ投資の動向、再生可能エネルギー関連の政策、建設業界の人手不足問題。
11. 総評
トーエネックは、電力インフラ工事を基盤とし、安定した収益基盤を持つ企業。中部電力との強固な関係が強みであり、業績も好調に推移している。株価は割安感があり、配当利回りも高い。ただし、中部電力への依存度が高いことや、建設業界特有のリスク（人手不足、資材価格変動）に注意が必要。今後の成長戦略として、再生可能エネルギーや情報通信分野への注力、一般顧客向け工事の強化が重要となる。
企業情報
| 銘柄コード | 1946 |
| 企業名 | トーエネック |
| URL | http://www.toenec.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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