1. 企業情報

株式会社ミツバは、自動車、二輪車、マイクロモビリティ向けの電装品を製造・販売する企業です。主力製品はワイパーモーターなどの自動車用電装品で、ホンダ向けへの依存度が高いことが特徴です。旧日産系の自動車電機工業と合併しており、技術力と安定した取引基盤を有しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

ミツバは、自動車電装品市場において、ワイパーモーターなどの分野で一定のシェアを占めていると考えられます。ホンダ向けの取引が多いことから、特定の顧客との強固な関係を築いていることが強みです。

競争優位性:

  • ホンダとの安定した取引関係
  • 自動車電装品分野における技術力

課題:

  • 特定の顧客への依存度が高いことによるリスク
  • 自動車業界全体の需要変動の影響を受けやすい
  • EVシフトによる事業構造の変化への対応

3. 経営戦略と重点分野

ミツバは、中期経営計画(2023年度~2027年度)において、「モビリティ進化への対応」「経営基盤の強化」「財務体質の健全化」を推進しています。

具体的な施策:

  • EV関連製品の開発・拡充
  • 生産効率の向上
  • コスト削減
  • 財務体質の強化

4. 事業モデルの持続可能性

ミツバの収益モデルは、自動車メーカーへの電装品の販売が中心です。

持続可能性への影響:

  • 市場ニーズの変化: EVシフトへの対応が重要。EV関連製品の開発・拡充が、今後の成長を左右する。
  • 収益モデル: 自動車業界全体の需要変動、原材料価格の変動、為替変動などの影響を受けやすい。

5. 技術革新と主力製品

ミツバは、ワイパーモーター、パワーウインドウモーター、スターターモーターなどの自動車用電装品を主力製品としています。

技術開発の動向:

  • EV関連製品の開発(EVドライブシステムなど)
  • 既存製品の性能向上、小型化、高効率化

収益を牽引している製品:

  • ワイパーモーターなどの自動車用電装品
  • 二輪車用電装品

6. 株価の評価

  • 株価: 740.0円(2025年4月11日終値)
  • EPS(会社予想): 245.78円
  • PER(会社予想): 3.01倍 (業界平均: 24.2)
  • BPS(実績): 2,306.74円
  • PBR(実績): 0.32倍 (業界平均: 1.6)

評価:

PER、PBRともに業界平均を大きく下回っており、割安感があります。ただし、これは業績の低迷や将来への不透明感を反映している可能性もあります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月10日に764円をつけた後、株価は下落傾向にあります。年初来高値980円、年初来安値654円であり、現在の株価は年初来安値に近い水準です。50日移動平均線819.80円、200日移動平均線911.58円を下回っており、下落トレンドにあると判断できます。

8. 財務諸表分析

損益計算書(過去12ヶ月):

  • 売上高: 344,154百万円
  • 営業利益: 21,153百万円
  • 当期純利益: 13,741百万円

財務指標:

  • ROE(実績): 16.32%
  • 自己資本比率(実績): 28.4%

分析:

過去12ヶ月の業績は、売上高は増加傾向にあり、営業利益、当期純利益も改善しています。ROEは16.32%と高い水準ですが、自己資本比率は28.4%と低めです。

過去の傾向:

過去の損益計算書を見ると、2022年、2023年は業績が低迷していましたが、2024年は回復傾向にあります。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.35%
  • 1株配当(会社予想): 10.00円
  • 配当性向: 2.42%

分析:

配当利回りは1.35%と、それほど高くありません。配当性向も低く、業績の改善に伴い増配の余地はあります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 下落傾向
  • 出来高: 167,200株(2025年4月11日)
  • 信用取引: 買い残増加、売り残減少。信用倍率55.55倍と高く、買われすぎの状況。

株価への影響要因:

  • 自動車業界の需要動向
  • 原材料価格の変動
  • 為替レートの変動
  • EVシフトへの対応
  • 決算発表

11. 総評

ミツバは、自動車電装品メーカーとして、ホンダとの安定した取引基盤を有しています。しかし、PER、PBRが低く、株価は低迷しています。これは、自動車業界の変革期における将来への不透明感や、業績の変動が影響していると考えられます。
割安感はありますが、今後の業績動向、特にEV関連製品の成長性、ホンダ以外の顧客開拓、コスト削減などの経営戦略の進捗を見極める必要があります。テクニカル分析では、下落トレンドにあるため、慎重な判断が必要です。


企業情報

銘柄コード 7280
企業名 ミツバ
URL http://www.mitsuba.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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