1. 企業情報
新日本空調は、三井グループに属する空調設備工事会社です。オフィスビル、商業施設、病院、ホテルなどの空調設備を中心に、電気設備、衛生設備などの設計・施工・保守を手掛けています。特に、原子力関連施設の空調設備や、微粒子可視化システムなどの独自技術に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
新日本空調は、空調設備工事業界において、大手の一角を占めています。三井グループとの連携を活かした安定的な顧客基盤と、原子力関連施設など特殊分野における技術力が強みです。
競争優位性:
- 三井グループとの安定的な取引関係
- 原子力関連施設やクリーンルームなど、特殊分野における高い技術力
- 省エネ・環境配慮型の空調システムの提案力
課題:
- 建設業界全体の人手不足
- 資材価格の高騰
- 競争激化による価格競争
3. 経営戦略と重点分野
新日本空調は、中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」を推進しています。
重点分野:
- 省エネ・環境対応型空調システムの普及
- データセンター、半導体関連施設など、成長分野への注力
- 技術力の強化と、付加価値の高いサービスの提供
- 海外事業の拡大
4. 事業モデルの持続可能性
新日本空調の事業モデルは、社会インフラの維持・更新需要に支えられており、安定した収益基盤を持っています。省エネ・環境対応へのニーズの高まりは、同社にとって追い風となる可能性があります。
収益モデル:
- 空調設備工事の設計・施工
- 保守・メンテナンス
- 省エネ・環境関連設備の販売
市場ニーズへの適応力:
- 省エネ・環境対応技術への投資
- データセンター、半導体関連施設など、成長分野への対応
- 顧客ニーズに合わせた多様なソリューションの提供
5. 技術革新と主力製品
新日本空調は、独自の技術開発に注力しています。
技術開発の動向:
- 原子力関連施設の空調技術
- クリーンルーム技術
- 微粒子可視化システム
- 省エネ・環境配慮型空調システム
収益を牽引している製品やサービス:
- オフィスビル、商業施設、病院、ホテルなどの空調設備工事
- データセンター、半導体関連施設向け空調設備工事
- 原子力関連施設の空調設備工事
6. 株価の評価
- 株価: 1,757.0円 (2025年4月15日終値)
- PER（会社予想）: 10.04倍 (業界平均: 14.0倍)
- PBR（実績）: 1.22倍 (業界平均: 1.1倍)
- EPS（会社予想）: 174.97円
- BPS（実績）: 1,440.84円
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均並みです。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価履歴を見ると、2025年4月7日に年初来安値1451円をつけた後、上昇傾向にあります。200日移動平均線は1843.87円であり、現在の株価はこれを下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で127,978百万円と、前期比で増加しています。
営業利益: 過去12ヶ月で9,239百万円と、前期比で増加しています。
ROE（実績）: 11.60%
ROA（過去12か月）: 5.65%
自己資本比率（実績）: 55.8%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は改善しています。ROE、ROAも良好な水準です。自己資本比率も高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.41%
- 1株配当（会社予想）: 60.00円
- 配当性向: 37.88%
- 自社株買い: なし
配当利回りは、まずまずの水準です。配当性向も適正な範囲内です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
信用買残は減少、信用売残は増加しており、需給はやや悪化しています。
主要株主には、自社協和会、三井物産など、安定株主が多く、安定した株主構成となっています。
11. 総評
新日本空調は、三井グループの安定した基盤と、高い技術力を強みとする空調設備工事会社です。
業績は堅調に推移しており、財務体質も良好です。
株価は割安感があり、配当利回りもまずまずの水準です。
今後の成長戦略として、省エネ・環境対応型空調システムの普及、データセンター、半導体関連施設など、成長分野への注力が期待されます。
ただし、建設業界の人手不足や資材価格の高騰、競争激化などの課題にも注意が必要です。
総合的に見て、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 1952 |
| 企業名 | 新日本空調 |
| URL | http://www.snk.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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