1. 企業情報
株式会社一蔵は、和装事業（着物販売・レンタル）とウェディング事業を展開する企業です。主力は着物の販売・レンタルであり、成人式向けの振袖販売・レンタルに強みを持っています。ウェディング事業では、結婚式場の運営、婚礼衣装のレンタル、写真撮影サービスなども提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
一蔵は、和装業界において一定のシェアを有していると考えられます。特に成人式向けの振袖レンタル市場においては、主要なプレーヤーの一つです。
競争優位性:
- ブランド力: 成人式向けの振袖レンタルで一定の認知度と実績がある。
- 多角的な事業展開: 和装事業とウェディング事業の組み合わせにより、収益の多角化を図っている。
課題:
- 少子化の影響: 成人式の対象人口の減少は、振袖レンタル需要に影響を与える可能性がある。
- 競合激化: 和装業界は競争が激しく、価格競争に陥るリスクがある。
- ウェディング事業の低迷: ウェディング事業は、新型コロナウイルス感染症の影響や、結婚式需要の減少により、業績が低迷する可能性がある。
3. 経営戦略と重点分野
一蔵の経営戦略は、和装事業とウェディング事業の双方の強化を図ることに重点が置かれています。
主な戦略:
- 和装事業の強化:
- 顧客獲得のための広告宣伝の強化。
- 商品ラインナップの拡充。
- オンライン販売の強化。
- ウェディング事業の改善:
- 集客力の強化。
- コスト削減。
- サービスの質の向上。
中期経営計画:
- 現時点では、中期経営計画の具体的な内容は不明です。
4. 事業モデルの持続可能性
一蔵の事業モデルは、少子化や競合激化の影響を受けやすいと考えられます。
収益モデル:
- 和装事業: 着物販売、レンタル、関連商品の販売。
- ウェディング事業: 結婚式場運営、婚礼衣装レンタル、写真撮影サービス。
市場ニーズの変化への適応力:
- 和装事業: 成人式需要への依存度が高いため、少子化の影響を避けることは難しい。
- ウェディング事業: 結婚式需要の減少に対応するため、集客力強化やコスト削減が重要となる。
5. 技術革新と主力製品
一蔵は、技術革新というよりは、伝統的な着物やウェディングサービスを提供しています。
主力製品・サービス:
- 和装事業: 着物、振袖、和装小物、着付けサービス。
- ウェディング事業: 結婚式場、婚礼衣装、写真撮影サービス。
6. 株価の評価
現在の株価は417円です。
* PER (連): 230.39倍 (会社予想EPS: 1.81円)
* PBR (連): 0.56倍 (実績BPS: 745.35円)
評価:
- PERは、業界平均（15.0）と比較して非常に高く、割高な水準です。
- PBRは、業界平均（1.2）を下回っており、割安な水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価履歴から、2025年4月16日の終値は417円と、年初来高値440円に近づいています。4月14日には367円まで下落しましたが、その後反発しています。
* 50日移動平均: 395.10円
* 200日移動平均: 460.86円
直近の株価は、50日移動平均を上回っています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は19,747百万円、2025年3月期は20,429百万円と、増収傾向です。
利益:
- 2021年3月期は営業損失を計上しましたが、その後は営業利益を確保しています。
- 2025年3月期第3四半期は、営業損失を計上しています。
ROE (実績): 14.76%
自己資本比率 (実績): 22.5%
財務状況:
- 2025年3月期第3四半期は、売上高が減少、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上しており、厳しい状況です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.36% (1株配当14.00円)
- 配当性向: 36.40%
- Ex-Dividend Date: March 28, 2025
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 2025年4月16日は、始値386円、高値430円、安値383円、終値417円と大きく変動しました。
- 信用取引: 信用買残が増加傾向にあり、個人投資家の関心が高い可能性があります。
株価への影響要因:
- 業績動向: 2025年3月期第3四半期の業績が低迷しており、今後の業績回復が重要です。
- 市場動向: 少子化や競合激化の影響。
- 配当: 配当利回りは3.36%と、ある程度の魅力があります。
11. 総評
一蔵は、和装事業とウェディング事業を展開する企業です。成人式向けの振袖レンタルに強みを持っていますが、少子化や競合激化の影響を受けやすい事業環境にあります。
ポジティブな点:
- ブランド力と一定の顧客基盤。
- 配当による株主還元。
ネガティブな点:
- 業績の低迷。
- 高いPER。
- 少子化や競合激化の影響。
総合的な見解:
一蔵の株価は、業績の低迷と高いPERを考慮すると、割高感があります。今後の業績回復と、事業構造改革の進捗に注目する必要があります。投資判断は、これらの点を踏まえて慎重に行うべきです。
企業情報
| 銘柄コード | 6186 |
| 企業名 | 一蔵 |
| URL | http://www.ichikura.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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