1. 企業情報
- 企業名: ダイワボウホールディングス株式会社
- 所在地: 大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワーW
- 設立: 1941年5月12日
- 代表者: 西村 幸浩
- 従業員数: 2,962人（平均年齢48.8歳、平均年収8,830千円）
- 事業内容: 主力は「ダイワボウ情報システム（DIS）」によるITインフラ流通（売上構成比92%）。産業機械、繊維事業も展開していたが、2024年3月に繊維事業の大半を譲渡し、IT分野への集中を強化中。サブスクリプション型サービス「雷」など新規事業も育成。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分: 商社・卸売（IT機器流通が主力）
- 競争優位性: 国内最大級のITディストリビューターとして、全国規模の販売網と取引先基盤を持つ。Windows10サポート終了やGIGAスクール端末のリプレース需要など、時流に乗った需要を取り込む体制を構築。
- 課題: IT流通は競争が激しく、マージン低下やメーカー依存度の高さがリスク。産業機械部門は航空機業界の受注回復遅延など外部環境に左右されやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画（2025～2027年）: 「事業ポートフォリオ変革による躍進期」と定義し、以下を重点施策とする。
- ホールディングス体制での成長
- “過去最高”へのチャレンジ
- ステークホルダーエンゲージメントの向上
- 重点分野: ITインフラ流通の拡大、サブスク型サービスの育成、産業機械のIoT領域拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: IT機器・サービスの卸売が主力。サブスクリプション型サービス「雷」などストック型収益へのシフトも進行中。
- 市場ニーズへの適応: 教育・自治体向けの端末需要や企業のIT投資拡大など、時流に合った商品・サービス展開で成長機会を確保。産業機械部門はIoT分野の強化で付加価値向上を目指す。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: サブスク型ITサービス「雷」など、従来の卸売に加え、サービス提供型ビジネスへの転換を進めている。
- 主力製品・サービス:
- ITインフラ流通（PC、サーバ、ネットワーク機器等）
- サブスクリプションサービス「雷」
- 産業機械（IoT関連含む）
6. 株価の評価
- 株価: 2,350円（2025/4/17終値）
- EPS（会社予想）: 260.71円
- BPS（実績）: 1,572.72円
- PER（会社予想）: 9.01倍（業界平均12.1倍）
- PBR（実績）: 1.49倍（業界平均1.0倍）
- 評価: PERは業界平均より低く、PBRは平均を上回る。利益水準に対して株価はやや割安感がある一方、資産価値に対してはやや高めの評価。
7. テクニカル分析
- 直近株価推移: 4月上旬に年初来安値（2,084円）をつけた後、反発し2,300円台で推移。年初来高値（3,084円）からは下落基調。
- 移動平均線: 50日移動平均：2,569.70円
200日移動平均：2,790.74円
現在値は両移動平均を下回っており、安値圏に位置。
– モメンタム: 直近10日間で反発傾向だが、全体としては下落トレンド。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 967,760百万円（2024/3期、前年比7.1%増）
- 営業利益: 30,963百万円（前年比10.8%増）
- 純利益: 4,283百万円（前年比大幅減、特別損失の影響）
- 営業利益率: 2.91%
- ROE: 3.01%（直近実績）、過去12か月では17.22%（指標に乖離あり。特別損失等の影響）
- 自己資本比率: 35.0%
- キャッシュフロー: 現金同等物：604億円
有利子負債：205億円
流動比率：1.52
– 傾向: 売上・営業利益は増加傾向。純利益は2024/3期に一時的な減少（特別損失計上）が見られる。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 3.83%
- 1株配当（予想）: 90円（前期実績64円）
- 配当性向: 29.79%
- 自社株買い: 2024年5月に自己株式3,669,700株を取得
- 方針: 安定配当と自己株買いによる株主還元を実施。配当は増配傾向。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 2024年後半から下落基調。直近は反発も見られるが、移動平均線を下回る水準。
- 出来高: 直近10日間の平均出来高は約25万株、流動性は高い。
- 信用取引: 信用買残が高く、信用倍率も高水準（21.74倍）。短期的な需給バランスには注意が必要。
- 投資家構成: 約48%が機関投資家保有。自己株式も5.69%と多め。
11. 総評
ダイワボウホールディングスは、ITインフラ流通を主力とする卸売大手で、近年はIT分野への集中とサブスクリプション型サービスの強化を進めている。売上・営業利益は堅調に推移しており、配当も増配傾向。株価は直近で安値圏にあり、PERは業界平均を下回る。財務基盤も安定しているが、純利益の一時的な減少や、IT流通分野の競争激化には留意が必要。株主還元策も積極的に実施している点が特徴的である。
企業情報
| 銘柄コード | 3107 |
| 企業名 | ダイワボウホールディングス |
| URL | http://www.daiwabo-holdings.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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