1. 企業情報
事業内容
ホーチキ株式会社は、火災報知器や消火設備、防犯システムなどの防災・防犯機器の研究開発、製造、販売、設計、保守サービスを国内外で展開しています。主力は火災報知設備で、情報通信システムや消火設備、防犯設備も手掛けています。1918年創業の老舗で、日本初の火災報知器メーカー。ALSOK（綜合警備保障）と業務提携し、防犯分野にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：防災関連で国内2位の大手。火災報知器分野で高いシェアを持ち、海外展開も強化中。
- 競争優位性：長い歴史と信頼性、ALSOKとの提携による防犯分野の拡大、保守サービスの充実が強み。
- 課題：労務費・原材料費の高騰、地政学リスク、競合他社（セコム等）との競争激化。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：「GLOBAL VISION 2030」を掲げ、国内外での事業拡大・収益力強化を目指す。
- 重点施策：
- 国内：リニューアル・保守サービス強化、工期前倒し施策
- 海外：欧州・東南アジアへの製品展開強化
- 技術開発・採用活動への投資
- 中期計画：売上・利益の持続的成長、グローバル市場でのプレゼンス拡大を目指す。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：防災設備の販売と保守サービスのストック型収益が両輪。リニューアル需要や法制度対応が安定収益に寄与。
- 市場ニーズへの適応：高齢化社会や災害リスク増加、法制度強化により、防災・防犯需要は底堅い。海外展開も進行中。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発：高感度煙検知器、ネットワーク連携型システムなど独自技術を持つ。IoT対応や情報通信分野にも注力。
- 主力製品：自動火災報知設備、消火設備（スプリンクラー等）、防犯システム、情報通信設備。保守サービスも収益源。
6. 株価の評価
- PER（連結）：8.35倍（業界平均24.2倍と比較して低位）
- PBR（連結）：1.02倍（業界平均1.6倍と比較して低位）
- EPS（会社予想）：277.72円
- BPS（実績）：2,283.32円
- 株価：2,320円
- 評価：利益・純資産に対して株価は割安な水準。
7. テクニカル分析
- 年初来高値/安値：2,676円 / 2,030円
- 直近株価推移：4月に入り2,100～2,300円台で推移、直近は2,320円。4月初旬の安値から反発し高値圏に接近。
- 移動平均：
- 50日：2,469.92円
- 200日：2,325.94円
- 現状：移動平均線下で推移しており、やや安値圏～中立圏。
8. 財務諸表分析
- 売上高：93,485百万円（2024/3期）、前年比増加傾向
- 営業利益：7,375百万円、営業利益率約7.9%、増益基調
- 純利益：5,661百万円、純利益率約6.1%、増益傾向
- ROE：11.45%（実績）、13.42%（過去12か月）と高水準
- ROA：7.02%（過去12か月）
- 自己資本比率：61.9%（財務健全）
- キャッシュフロー：現金等13.3B（直近四半期）、流動比率3.12と安全性高い
- 過去数年の傾向：売上・利益ともに安定成長、利益率も改善傾向
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：3.10%（会社予想）、5年平均2.91%より高め
- 1株配当：72円（予想）
- 配当性向：21.55%（余裕あり）
- 自社株買い：自己株式保有比率13.22%、株主還元策として活用
- 安定配当方針：特別配当なし、安定的な配当を継続
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動：直近10日間で2,100円台から2,300円台へ上昇、出来高も増加傾向
- 信用倍率：389倍と買い残が多く、需給はやや偏り
- 投資家構成：インサイダー比率37.85%、機関投資家22.16%
- 主な影響要因：業績好調、配当利回り、業界の安定需要、地政学リスクや原材料高騰への警戒感
11. 総評
ホーチキ株式会社は防災・防犯分野で国内2位の大手企業として、安定した収益基盤と高い財務健全性を有しています。直近は売上・利益ともに増加基調で、ROE・ROAも高水準を維持。株価指標（PER・PBR）は業界平均と比べて割安水準です。配当利回りも高く、株主還元策にも積極的です。今後は国内リニューアル・保守需要や海外展開の進展が注目されますが、原材料価格や地政学リスクには留意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6745 |
| 企業名 | ホーチキ |
| URL | http://www.hochiki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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