1. 企業情報
TDCソフト（4687）は、独立系のシステムインテグレーター（SI）として、ITコンサルティングサービスを提供しています。主な事業内容は、金融・流通分野向けのシステム開発、AI、アジャイル、クラウド関連のソリューション提供です。クラウド対応の自社製品育成にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
TDCソフトは、独立系SIとして、特定の業界に特化した強みを持っています。特に金融ITソリューションに強みを持ち、安定した収益基盤を築いています。競争優位性としては、特定の分野における専門性と、顧客との長期的な関係性が挙げられます。課題としては、大手SIとの競争や、技術革新への迅速な対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
TDCソフトは、中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」を策定し、高付加価値SIサービスの追求、SIモデル変革の推進、事業領域の拡大を目指しています。具体的には、AI、アジャイル、クラウド分野への注力を通じて、顧客のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援する戦略を推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
TDCソフトの収益モデルは、システム開発やITコンサルティングサービス提供によるものです。金融ITソリューションを主力としているため、金融機関のIT投資動向に業績が左右される可能性があります。市場ニーズの変化への適応力としては、AI、クラウド分野への注力や、自社製品の開発・提供を通じて、変化に対応しようとしています。
5. 技術革新と主力製品
TDCソフトは、AI、アジャイル、クラウド分野に注力し、技術革新に取り組んでいます。主力製品としては、クラウドアプリケーション「Stlyeflow」「Meepa」「M-check+」、EDIサービス「BP-LINKS」、人材管理システム「HuTaCT」などがあります。これらの製品を通じて、顧客の業務効率化やDXを支援しています。
6. 株価の評価
- 株価: 1226.0円（2025年4月18日終値）
- PER（会社予想）: (連)17.72倍
- PBR（実績）: (連)2.89倍
- EPS（会社予想）: (連)69.17円
- BPS（実績）: (連)424.81円
- 配当利回り（会社予想）: 2.20%
PERは業界平均23.2倍を下回っており、割安感があります。PBRは2.89倍で、割高感はありません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月7日の1008円を底に上昇トレンドに転じており、2025年4月18日には1226円まで上昇しています。年初来高値は1596円、年初来安値は1008円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づいています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には396億9805万円を計上しています。
- 営業利益: 増加傾向にあり、2024年3月期には38億7694万円を計上しています。
- 当期純利益: 増加傾向にあり、2024年3月期には30億8940万6千円を計上しています。
- ROE（実績）: (連)17.71%と高い水準を維持しています。
- 自己資本比率（実績）: (連)72.4%と財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.20%
- 1株配当（会社予想）: 27.00円
- 配当性向は32.57%です。
- 2024年3月期には株式分割を実施しています。
TDCソフトは、安定的な配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。2025年3月期第3四半期決算発表後も、業績好調が評価され、株価は上昇しています。
* 信用倍率: 19.82倍と高く、買い残が多い状況です。
11. 総評
TDCソフトは、金融ITソリューションに強みを持つ独立系SIであり、安定した収益基盤と高い収益性を誇っています。中期経営計画に基づき、AI、クラウド分野への注力を進めており、今後の成長も期待できます。株価はPERで割安感があり、財務体質も良好です。直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムも良好です。ただし、高値圏に近づいていること、信用買い残が多いことには注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4687 |
| 企業名 | TDCソフト |
| URL | http://www.tdc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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