1. 企業情報
- 事業内容: ＴＯＡは、放送・音響システムの大手企業です。構内放送設備と防犯カメラシステムを主力としており、公共施設、商業施設、交通機関など幅広い分野で製品を提供しています。近年は海外展開を強化しており、グローバルな市場での成長を目指しています。
- 特徴: 構内放送設備とセキュリティシステムの2本柱で事業を展開し、海外では商品企画から販売まで行う地域体制を強化しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: ＴＯＡは、音響・映像システム業界において、一定のプレゼンスを持つ企業です。特に構内放送システム分野では、国内で高いシェアを占めていると考えられます。
- 競争優位性: 構内放送システムとセキュリティシステムの2本柱で、多様な顧客ニーズに対応できる点が強みです。また、長年の実績と技術力も競争優位性につながっています。
- 課題: 競合他社との価格競争や、技術革新への対応が課題です。また、海外市場での更なるシェア拡大も重要な課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 2030年を見据えた経営ビジョンとして「Dr. Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団ーになる」を掲げています。
- 中期経営計画: 2025年3月期第3四半期決算短信によると、2024年9月にオランダのPA-Vox Holding B. V.を連結子会社化し、空港市場向け事業拡大を目指しています。また、国内の一部商品の価格改定を実施しています。
- 重点分野: 海外市場の開拓、特に空港市場への注力、価格競争力の強化、新技術への積極的な投資などが考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 構内放送設備、セキュリティシステムを中心とした製品販売と、関連する工事・保守サービスが収益の柱です。
- 市場ニーズへの適応力: 公共施設のセキュリティ需要の高まりや、デジタルサイネージなど映像システムの普及など、市場ニーズの変化に対応できる製品・サービスを提供していくことが重要です。
- 持続可能性への課題: 景気変動の影響を受けやすいこと、競合との差別化、技術革新への対応などが課題です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 音響技術、映像技術、ネットワーク技術などを組み合わせた製品開発が進められています。
- 主力製品: 構内放送システム、セキュリティカメラシステム、ワイヤレスシステムなどが主力製品です。
- 独自性: 高い技術力と、多様なニーズに対応できる製品ラインナップが強みです。
6. 株価の評価
- 株価: 896.0円 (2025年4月18日終値)
- PER（会社予想）: (連)11.22倍
- PBR（実績）: (連)0.57倍
- EPS（会社予想）: (連)79.83円
- BPS（実績）: (連)1,582.90円
- 業界平均PER: 24.2
- 業界平均PBR: 1.6
- 評価: PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、801円から898円の間を変動しており、上昇傾向にあります。
- 年初来高値: 1,009円
- 年初来安値: 797円
- 50日移動平均: 935円
- 200日移動平均: 956.28円
- 判断: 現在の株価は、年初来高値と移動平均線からやや下落していますが、直近では上昇基調にあり、底堅さを示しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で488億1400万円、前期比+8.1%と増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で30億2800万円、前期比+76.2%と大幅に増加しています。
- 経常利益: 2025年3月期第3四半期は22億4800万円、前年同期比-7.8%と減少しています。
- 当期純利益: 2025年3月期第3四半期は12億8900万円、前年同期比-17.2%と減少しています。
- ROE（実績）: (過去12か月) 4.22%
- ROA（過去12か月）: 2.71%
- 自己資本比率: (2025年3月期第3四半期末) 72.2%と高い水準を維持しています。
- 評価: 売上高は増加傾向にありますが、利益面では、原材料価格の高騰や販管費の増加により、減少傾向にあります。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.46%
- 1株配当（会社予想）: 40.00円
- 配当性向: 90.38%
- 株主還元策: 安定した配当を実施しています。
- 評価: 配当利回りは高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあります。
- 出来高: 18,800株
- 信用取引: 信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い優勢の状況です。
- 株価への影響要因: 業績動向、市場全体の動向、競合他社の動向、新製品・サービスの発表などが考えられます。
11. 総評
ＴＯＡは、構内放送システムとセキュリティシステムを主力とする企業であり、安定した収益基盤を持っています。株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。直近の業績は、売上高は増加しているものの、利益面では課題が見られます。今後の成長戦略として、海外市場の開拓、特に空港市場への注力、価格競争力の強化、新技術への積極的な投資などが重要となります。投資を検討する際には、これらの点を考慮し、リスク管理を徹底することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6809 |
| 企業名 | TOA |
| URL | http://www.toa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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