1. 企業情報
日本エンタープライズは、スマートフォン向けコンテンツ配信と法人向けシステムインテグレーション（SI）を主な事業とする企業です。具体的には、電子書籍サービス、交通情報アプリ、女性向けヘルスケアアプリ、高級品フリマアプリなどを提供しています。また、企業向けには、システム開発、業務支援サービスなども行っています。近年は、鮮魚ECなど新事業にも取り組んでいます。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本エンタープライズは、情報通信・サービスその他業界に属し、特にスマートフォン向けコンテンツ配信と法人向けSIの分野で事業を展開しています。競争環境は激しく、大手IT企業や同業他社との競争に直面しています。市場シェアに関する具体的なデータは開示されていませんが、中小規模の企業として、特定のニッチ市場や技術に強みを持つことで差別化を図っていると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
日本エンタープライズの経営陣は、スマートフォン向けコンテンツの拡充と法人向けSIサービスの強化を重視しています。具体的には、月額課金型コンテンツの会員増強に向けたプロモーションや、通信キャリアとの連携強化、システム開発サービスの拡充、業務支援サービスの推進などが挙げられます。また、鮮魚ECなど、新たな事業領域への進出も積極的に行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本エンタープライズの収益モデルは、スマートフォン向けコンテンツの利用料収入と、法人向けSIサービスの対価が中心です。市場ニーズの変化への適応力としては、新たなコンテンツやサービスの開発、技術革新への対応、顧客ニーズへの柔軟な対応などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
日本エンタープライズは、スマートフォン向けコンテンツや法人向けソリューションの開発・提供を通じて技術革新に取り組んでいます。主力製品としては、電子書籍サービス「Booksmart」、交通情報アプリ「ATIS Traffic Info」、法人向けメッセンジャーアプリ「BizTalk」などがあります。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 107.0円 |
| PER（会社予想） | 274.36倍 |
| PBR（実績） | 0.87倍 |
| EPS（会社予想） | 0.39 |
| BPS（実績） | 122.69 |
| 配当利回り | 2.80% |
PERは274.36倍と、業界平均の17.6を大きく上回っており、割高感があります。PBRは0.87倍と、1倍を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月7日に98円の安値をつけた後、4月18日には107円まで回復しています。200日移動平均線と50日移動平均線は119円台で推移しており、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。年初来高値は130円、年初来安値は98円です。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 2024/5/31 | 2023/5/31 | 2022/5/31 | 2021/5/31 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高（百万円） | 4,696 | 4,696 | 4,210 | 4,019 | 4,347 |
| 営業利益（百万円） | 265 | 265 | 180 | 103 | 338 |
| 経常利益（百万円） | 305 | 305 | 193 | 158 | 269 |
| 当期純利益（百万円） | 209 | 209 | 103 | 72 | 135 |
| ROE | 4.31% | – | – | – | – |
| ROA | 1.13% | – | – | – | – |
| 自己資本比率 | 82.6% | – | – | – | – |
| 売上高成長率(前年比) | 11.5% | 11.5% | 4.7% | -7.5% | – |
過去12ヶ月の売上高は増加していますが、営業利益、経常利益、当期純利益は減少傾向にあります。ROEは4.31%と、それほど高くありません。自己資本比率は82.6%と高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 2.80% |
| 1株配当（会社予想） | 3.00円 |
| 配当性向 | 108.30% |
配当利回りは2.80%と、まずまずの水準です。配当性向は108.30%と、利益水準に対して高い水準となっています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年4月8日に急騰した後、調整局面に入っています。信用買い残は多く、信用倍率は21.65倍と高い水準です。
11. 総評
日本エンタープライズは、スマートフォン向けコンテンツ配信と法人向けSIを主力とする企業です。財務状況は安定していますが、業績は伸び悩んでおり、直近の四半期決算では減収減益となっています。株価は割高感があり、テクニカル的にも下落トレンドにあるため、今後の業績動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4829 |
| 企業名 | 日本エンタープライズ |
| URL | http://www.nihon-e.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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