1. 企業情報

株式会社システムリサーチは、独立系のシステムインテグレーター(SIer)として、主に製造業向けに情報システムの構築、保守、運用サービスを提供しています。特に自動車、機械、鉄鋼業界に強く、トヨタグループ向けが約3割を占めています。事業内容は、SIサービス、ソフトウェア開発、ソフトウェアプロダクト販売など多岐にわたります。

2. 業界のポジションと市場シェア

システムリサーチは、独立系SIerとして特定の業界に強みを持つニッチ戦略を展開しています。トヨタグループとの取引実績は、安定した収益基盤を築く上で大きな強みとなっています。

競争優位性:

  • 特定の業界(自動車、機械、鉄鋼)に特化した専門性
  • トヨタグループとの長年の取引による信頼関係
  • 独立系であることによる、特定のメーカーに依存しない柔軟な対応

課題:

  • 特定の顧客(トヨタグループ)への依存度が高いことによるリスク
  • IT業界全体の競争激化

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)を活用した業務改革・事業拡大を支援する製品開発や、レガシーシステムの刷新など、企業のIT投資意欲に応えることを重視しています。

中期経営計画(推測):

  • 顧客企業のIT投資需要を取り込み、売上高の拡大を目指す。
  • 技術者の育成・確保による、サービス品質の向上。
  • 新規顧客の開拓、既存顧客との関係強化。

4. 事業モデルの持続可能性

システムリサーチの収益モデルは、企業のIT投資に依存しています。DX推進やレガシーシステムの刷新といった市場ニーズは、今後も継続的に存在すると考えられます。

持続可能性への影響:

  • IT技術の進化への対応(AI、クラウドなど)
  • 顧客企業の業績変動による影響
  • 人材確保と育成

5. 技術革新と主力製品

システムリサーチは、顧客企業のニーズに応じた様々なソリューションを提供しています。

主力製品・サービス:

  • SIサービス(システム構築、保守、運用)
  • ソフトウェア開発
  • EC、ビジネスパッケージ、CRM/CTI、RPA、AI、ドキュメント、BI、データ分析関連サービス
  • ICTインフラ、ERP、自動車関連ソフトウェア開発

6. 株価の評価

現在の株価は1720.0円です。
* PER(会社予想): 12.99倍(業界平均:23.2倍)
* PBR(実績): 2.55倍(業界平均:2.3倍)
* EPS(会社予想): 132.44円
* BPS(実績): 674.28円

PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRは業界平均よりやや高い水準です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月8日に1410円まで下落した後、上昇傾向にあり、2025年4月21日には1720円となっています。年初来高値1728円に迫る水準であり、高値圏にあると考えられます。

8. 財務諸表分析

売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には233億円を計上しています。
利益: 営業利益、経常利益、当期純利益も増加傾向にあります。
ROE(実績): 20.06%と高い水準を維持しています。
自己資本比率(実績): 65.1%と財務体質は良好です。

直近四半期(2025年3月期3Q)

  • 売上高:192億円(前年同期比11.4%増)
  • 営業利益:20.59億円(前年同期比4.7%増)
  • 経常利益:21.21億円(前年同期比6.4%増)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:15.54億円(前年同期比5.3%増)

売上高は増加していますが、販管費の増加により利益率は低下しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.49%
  • 1株配当(会社予想): 60.00円
  • 配当性向: 33.82%

配当は安定的に行われており、配当利回りも一定の水準を保っています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いと言えます。

株価への影響要因:

  • IT投資需要の動向
  • トヨタグループの業績
  • 半導体不足の影響
  • 技術者の確保状況

11. 総評

システムリサーチは、製造業向けSIerとして安定した収益基盤を持ち、高いROEと良好な財務体質が魅力です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。直近の株価は上昇傾向にあり、今後の業績拡大への期待も高まっています。ただし、トヨタグループへの依存度が高いこと、IT業界の競争激化、人材確保といった課題も存在します。
現時点では、業績の安定性と株価の割安感から、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。ただし、リスク要因も考慮し、ポートフォリオの一部として組み入れるなど、慎重な投資判断が必要です。


企業情報

銘柄コード 3771
企業名 システムリサーチ
URL http://www.sr-net.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By ジニー

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