1. 企業情報
エフピコは、食品トレー・弁当容器の国内最大手メーカーです。主にポリスチレンや複合樹脂製の使い捨て食品容器を製造・販売しており、スーパーマーケットや食料品店などを主要顧客としています。新素材開発やリサイクル技術に強みを持ち、環境配慮型製品の展開にも積極的です。本社は広島県福山市に所在し、従業員数は約5,264人です。
2. 業界のポジションと市場シェア
エフピコは食品トレー・弁当容器分野で国内トップシェアを誇ります。競争優位性は、独自の素材開発力、全国規模の物流網、リサイクル技術にあります。一方、原材料価格の変動や環境規制強化、競合他社との価格競争が課題となります。エコ製品の拡大やリサイクル強化が今後の成長の鍵です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「2050年カーボンニュートラル達成」を掲げ、中長期環境計画「FPEA2.0」を推進しています。軽量化・エコ製品の開発、リサイクル体制の強化、製造効率化によるコスト削減が重点施策です。2024年11月には新たな溶解分離リサイクル施設の稼働も開始しています。
4. 事業モデルの持続可能性
主力の食品容器事業は、日常消費に密着した安定需要が特徴です。近年はエコ製品比率の拡大やリサイクル事業の強化で、社会的要請や市場ニーズの変化にも対応しています。環境規制強化への適応力も高く、持続可能な収益モデルを構築しています。
5. 技術革新と主力製品
独自の新素材開発やリサイクル技術が強みです。エコトレー、エコAPET、エコOPETなど環境配慮型製品が収益を牽引しています。2024年にはDIC四日市工場で溶解分離リサイクルの新施設が稼働し、CO2削減にも寄与しています。
6. 株価の評価
- 現在株価：3,170円
- 直近12か月EPS：150.73円
- PER（株価収益率）：約21.0倍（3,170 ÷ 150.73）
- 直近BPS（1株当たり純資産）：1,871.76円
- PBR（株価純資産倍率）：約1.69倍（3,170 ÷ 1,871.76）
- 業界平均PER：20.4倍、業界平均PBR：1.1倍
株価は業界平均PER/PBRと比較してやや高い水準です。
7. テクニカル分析
- 52週高値：3,225円、52週安値：2,285円
- 現在株価は52週高値圏に近い水準
- 50日移動平均：2,919.52円、200日移動平均：2,767.97円
- 直近10日間で株価は上昇基調、出来高も増加傾向
8. 財務諸表分析
- 売上高は過去4年で増加（2021年：1,875億円→2024年：2,221億円）
- 営業利益率は12.65%、純利益率5.23%と安定
- ROE：8.20%、ROA：3.65%
- 営業キャッシュフローは25,310百万円、フリーキャッシュフローも黒字
- 自己資本比率は50%と財務健全性が高い
- 負債比率（Debt/Equity）：54.69%、流動比率：1.18
9. 株主還元と配当方針
- 2024年度年間配当：57円（予想）、配当性向：37.85%
- 予想配当利回り：2.25%、過去5年平均利回り：1.56%
- 自社株買いも実施（自己株式保有比率4.4%）
- 安定的な配当政策を維持
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間で株価は約2,900円→3,170円と上昇
- 52週高値圏にあり、上昇モメンタムが強い
- 出来高増加、信用買残・売残も増加傾向
- インサイダー保有率が高く、安定株主構成
11. 総評
エフピコは食品トレー・弁当容器分野で国内最大手として高い市場シェアと技術力を有しています。エコ製品やリサイクル強化を軸に持続可能な成長を目指しており、財務基盤も安定しています。株価は業界平均と比べやや高めですが、直近の業績・株価モメンタムは堅調です。今後も環境対応や新技術開発が成長のカギとなる見通しです。
企業情報
| 銘柄コード | 7947 |
| 企業名 | エフピコ |
| URL | http://www.fpco.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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