1. 企業情報

株式会社オービーシステム(以下、オービーシステム)は、1972年設立の独立系システムインテグレーター(SIer)です。金融、産業流通、社会公共、ITイノベーション分野向けに、システムコンサルティングからアプリケーション開発、ネットワーク構築まで、幅広いサービスを提供しています。特に地銀向けのシステムに強みがあり、日立グループ向けが売上の約7割を占めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

オービーシステムは、SI業界において、特定の顧客基盤と技術力を持つ中堅企業として位置づけられます。金融系システムに強みを持つ一方、日立グループとの関係性が売上の大部分を占めるため、特定の顧客への依存度が高い点が課題です。

競争優位性:

  • 金融系システムにおける豊富な実績とノウハウ
  • 安定した顧客基盤(特に地銀、日立グループ)
  • 高い自己資本比率(80.1%)

課題:

  • 特定顧客への依存度が高い
  • IT人材不足
  • DX推進における技術革新への対応

3. 経営戦略と重点分野

オービーシステムは、中期経営計画において、DX関連事業を成長の柱としています。具体的には、クラウド、AI、ビッグデータ、ロボティクスなどの分野への注力、人材確保、既存顧客とのパートナーシップ強化、M&Aによる事業拡大を目指しています。

4. 事業モデルの持続可能性

オービーシステムの収益モデルは、システム開発・構築、運用・保守サービスを組み合わせたものです。金融機関などの基幹システムは、一度導入されると長期にわたる運用・保守需要が見込めるため、安定した収益基盤を築いています。

市場ニーズの変化への適応力:

  • DX推進の流れに対応するため、クラウド、AI、ビッグデータなどの新技術への投資を強化しています。
  • IT人材不足に対応するため、人材育成や外部リソースの活用も検討しています。

5. 技術革新と主力製品

オービーシステムは、金融、産業流通、社会公共分野向けのシステム開発に注力しています。

主力製品:

  • CLIP(臨床検査情報システム)
  • MEX-Plus(医事情報システム)

6. 株価の評価

指標
株価 2,460円
PER(会社予想) 11.81倍
PBR(実績) 1.11倍
配当利回り(会社予想) 3.25%
EPS(会社予想) 208.32円
BPS(実績) 2,210.37円
業界平均PER 17.6倍
業界平均PBR 1.6倍

評価:

  • PERは業界平均よりも低く、割安感があります。
  • PBRも業界平均を下回っています。
  • 配当利回りは3%を超えており、株主還元にも積極的です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は上昇傾向にあり、2025年4月22日の終値は2,460円です。年初来高値2,494円に迫る水準であり、高値圏での推移となっています。50日移動平均線(2334.72円)と200日移動平均線(2218.21円)を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

売上高:

  • 過去12ヶ月の売上高は6,896百万円で、前期(6,163百万円)から増加しています。

利益:

  • 営業利益は591百万円で、前期(502百万円)から増加しています。
  • 当期純利益は441百万円で、前期(497百万円)から減少しています。
  • 利益率は、売上高の増加に伴い改善傾向にあります。

キャッシュフロー:

  • 詳細なキャッシュフローの情報は不足しています。

ROE/ROA:

  • ROE(実績)は10.33%であり、良好な水準です。
  • ROA(過去12か月)は6.11%です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想)は3.25%です。
  • 1株配当(会社予想)は80.00円です。
  • 配当性向は36.27%です。
  • 2024年3月期には記念配当がありました。

オービーシステムは、株主還元に積極的な姿勢を示しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。出来高は2,900株と、それほど多くはありません。

株価への影響を与える要因:

  • 業績動向(特に金融系システムの受注状況)
  • DX関連事業の進捗
  • IT業界全体の動向
  • 日立グループとの関係性

11. 総評

オービーシステムは、金融系システムに強みを持つ中堅SIerであり、安定した収益基盤と高い自己資本比率が魅力です。PERやPBRは割安感があり、配当利回りも魅力的です。
* 強み: 安定した顧客基盤、高い自己資本比率、株主還元への積極性
* 弱み: 特定顧客への依存度、IT人材不足、DX推進における課題
* 注目点: DX関連事業の成長、日立グループとの関係性の変化

総合的な見解:

オービーシステムは、安定した業績と株主還元が魅力的な銘柄です。DX関連事業の成長や、日立グループとの関係性の変化に注目し、中長期的な視点での投資を検討する価値があります。ただし、特定顧客への依存度が高いことや、IT人材不足といった課題も考慮する必要があります。


企業情報

銘柄コード 5576
企業名 オービーシステム
URL https://www.obs.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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