1. 企業情報
コナミグループ（9766）は、デジタルエンタテインメント、アミューズメント、ゲーミング＆システム、スポーツ事業を展開する企業です。家庭用・携帯用ゲームが主力であり、スポーツ施設でも高いシェアを誇ります。カジノ向けゲーム機やパチスロ機も手掛けており、多角的な事業展開を行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
コナミグループは、デジタルエンタテインメント分野で「遊戯王OCG」などの人気コンテンツを持ち、安定した収益基盤を築いています。スポーツ施設運営においても、国内で高いシェアを占めています。カジノ向けゲーム機やパチスロ機は、海外市場への展開も進めています。
競争優位性:
- 強力なIP: 「遊戯王」「メタルギアソリッド」「ウイニングイレブン」など、世界的に人気のあるゲームタイトルを多数保有しています。
- 多角的な事業ポートフォリオ: デジタルエンタテインメント、アミューズメント、ゲーミング＆システム、スポーツと、複数の事業を展開することで、リスク分散を図っています。
- スポーツ施設の強み: スポーツクラブ運営で培ったノウハウと顧客基盤があります。
課題:
- デジタルエンタテインメントにおける競争激化: モバイルゲーム市場は競争が激しく、ヒット作を継続的に生み出す必要があります。
- 法規制リスク: カジノ関連事業は、各国の法規制に影響を受けやすいです。
- 為替変動リスク: 海外売上比率が高いため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
コナミグループは、中期経営計画において、デジタルエンタテインメント事業の強化、アミューズメント事業の成長、ゲーミング＆システム事業の拡大、スポーツ事業の収益性向上を重点分野としています。
主な戦略:
- デジタルエンタテインメント: 既存IPの更なる活用、新規IPの創出、モバイルゲーム市場でのシェア拡大。
- アミューズメント: 新機種の開発と投入、オンラインゲームサービスの拡充。
- ゲーミング＆システム: 北米市場を中心としたカジノ向けゲーム機の販売拡大。
- スポーツ: スポーツクラブの会員増強、新規施設の開設、健康関連サービスの拡充。
4. 事業モデルの持続可能性
コナミグループの事業モデルは、IP（知的財産）を軸としたビジネスモデルであり、持続可能性が高いと考えられます。
収益モデル:
- デジタルエンタテインメント: ゲームソフトの販売、モバイルゲームの課金収入、eスポーツ関連収入。
- アミューズメント: アミューズメントマシンの販売、オンラインゲームの課金収入。
- ゲーミング＆システム: カジノ向けゲーム機の販売、システム販売。
- スポーツ: スポーツクラブの会費収入、物販、スクール運営。
市場ニーズへの適応力:
- デジタルエンタテインメント: モバイルゲーム市場への積極的な参入、eスポーツへの取り組みなど、市場の変化に対応しています。
- スポーツ: 健康志向の高まりを受け、マシンピラティススタジオや健康関連サービスなど、新たな事業展開を行っています。
5. 技術革新と主力製品
コナミグループは、ゲーム開発技術、アミューズメント機器開発技術、カジノ向けゲーム機開発技術など、様々な分野で技術開発を行っています。
主力製品・サービス:
- デジタルエンタテインメント: 「遊戯王OCG」「eFootball」「メタルギアソリッド」などのゲームソフト、モバイルゲーム。
- アミューズメント: メダルゲーム、ビデオゲーム、ぱちんこ・パチスロ機。
- ゲーミング＆システム: カジノ向けスロットマシン、カジノマネジメントシステム。
- スポーツ: スポーツクラブ、スイミングスクール、体操教室。
6. 株価の評価
現在の株価19,875.0円は、会社予想EPS516.39円、会社予想PER38.49倍、実績BPS3,505.89円、実績PBR5.67倍です。
* PER: 業界平均PER23.2と比較すると、割高感があります。
* PBR: 業界平均PBR2.3と比較すると、割高感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月9日に16,960円まで下落した後、上昇傾向にあり、2025年4月21日には年初来高値20,180円に近づいています。50日移動平均線18,137.80円、200日移動平均線14,889.30円を上回っており、上昇トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
過去12ヶ月の売上高は4,180億4700万円、営業利益は1,073億5400万円、当期純利益は777億8600万円です。売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は向上しています。
* ROE: 17.62%と高い水準を維持しており、資本効率が良いと言えます。
* 自己資本比率: 70.5%と高く、財務体質は良好です。
* 売上高成長率: 四半期売上高成長率は27.70%と高い成長率を示しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）は0.78%、1株配当（会社予想）は155.00円です。配当性向は23.53%です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇基調にあり、好調な業績を反映していると考えられます。
株価への影響要因:
- 業績: デジタルエンタテインメント事業の好調、新規タイトルのヒット、カジノ向けゲーム機の販売状況などが業績に大きく影響します。
- 市場動向: ゲーム市場全体の成長、eスポーツ市場の拡大、カジノ市場の動向などが影響します。
- 為替レート: 円安が進むと、海外売上高の増加につながり、業績を押し上げる可能性があります。
11. 総評
コナミグループは、デジタルエンタテインメント、スポーツ、ゲーミング＆システムなど、多角的な事業展開により、安定した収益基盤を築いています。直近の業績は好調であり、売上高、利益ともに増加傾向にあります。ROEも高く、資本効率も良好です。株価は割高感がありますが、上昇トレンドにあり、今後の業績拡大への期待も高まっています。
ただし、PER、PBRは業界平均と比較して割高であり、今後の株価の動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 9766 |
| 企業名 | コナミグループ |
| URL | https://www.konami.com/ja/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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