1. 企業情報
田辺工業(証券コード: 1828)は、関東・中部地方を地盤とする中堅の総合プラント工事会社です。主に化学プラントの建設や機械製造を手掛けており、民間工事を主体としています。また、タイで表面処理事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
建設・資材業界に属し、プラント工事分野においては中堅企業としての地位を確立しています。詳細な市場シェアは開示されていませんが、地域密着型の事業展開と、化学プラントに強みを持つことが特徴です。競争優位性としては、長年の経験と技術力、顧客との信頼関係が挙げられます。課題としては、大手企業との競争や、建設業界全体の人手不足、資材価格の高騰などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「TRY2030」を策定しており、顧客ニーズに合わせた設備の提案、受注の確保・拡大、施工効率の改善、原価管理の徹底などを重点的に行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
プラント工事は、社会インフラや産業活動に不可欠であり、安定した需要が見込めます。しかし、景気変動や、特定の業界への依存度が高い場合は、リスク要因となります。同社は、顧客ニーズへの対応や、コスト管理、技術革新を通じて、事業の持続可能性を高めようとしています。
5. 技術革新と主力製品
プラントの設計・建設、電気計装・制御システムの設計・施工、各種産業向けの自動化・省力化設備の提供など、幅広い技術を有しています。主力製品は、化学プラントを中心とした各種プラント設備であり、顧客のニーズに合わせてカスタマイズされたソリューションを提供しています。
6. 株価の評価
- 株価: 2,076.0円(2025年4月22日終値)
- PER(会社予想): 9.88倍(業界平均:11.3)
- PBR(実績): 0.89倍(業界平均:0.7)
- EPS(会社予想): 210.04円
- BPS(実績): 2,320.91円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも業界平均よりやや高く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月9日には1835円まで下落しましたが、その後は上昇基調に転じ、2025年4月21日には2130円の高値を付けています。2025年4月22日の終値は2076円であり、年初来高値(2249円)には近いものの、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は518.4億円、2023年3月期は429.4億円と増収傾向です。
- 営業利益: 2024年3月期は26.7億円、2023年3月期は27.3億円と、ほぼ同水準です。
- 経常利益: 2024年3月期は26.1億円、2023年3月期は26.3億円と、ほぼ同水準です。
- 当期純利益: 2024年3月期は18.9億円、2023年3月期は16.5億円と増益です。
- ROE: 2024年3月期は8.69%
- ROA: 過去12か月で5.50%
- 自己資本比率: 48.9%
売上高は増加傾向にあり、利益も安定しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.61%
- 1株配当(会社予想): 75.00円
- 配当性向: 25.06%
- 自社株買い: 記載なし
配当利回りは比較的高く、安定した株主還元を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
* 52週高値: 2249円
* 52週安値: 1300円
* 50日移動平均: 2003.44円
* 200日移動平均: 1774.38円
50日移動平均線は200日移動平均線を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
株価への影響を与える要因:
* 設備投資の動向
* 原材料価格の変動
* 公共投資の動向
* 金利変動
* 為替変動
11. 総評
田辺工業は、プラント工事を主力とする中堅企業であり、安定した業績と良好な財務体質が評価できます。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。直近の株価は上昇基調にあり、今後の業績拡大にも期待できます。ただし、建設業界特有のリスクや、市況の変動には注意が必要です。
企業情報
銘柄コード | 1828 |
企業名 | 田辺工業 |
URL | http://www.tanabe-ind.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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