1. 企業情報
植松商会は、東北地方を地盤とする機械工具専門商社です。機械工具、産業機械、伝導機器などを中心に、ライン設計・施工まで手掛ける点が強みです。地元密着型の営業体制と、仕入れ割引収入も特徴としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
機械工具業界は、製造業の設備投資動向に左右されやすい傾向があります。植松商会は、東北地方に特化することで、地域経済の動向に影響を受けやすいと考えられます。同社の競争優位性は、地域密着型の営業と、ライン設計・施工まで手掛ける点にあります。課題としては、大手競合との価格競争や、製造業の設備投資の停滞による業績への影響が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「モノづくりにおける持続的成長発展を支える (2023年3月期~2026年3月期)」の3年目です。詳細な内容は開示されていませんが、地元密着型の事業展開を継続し、顧客ニーズへの対応力を高めることが重要と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは、機械工具などの販売が中心であり、製造業の設備投資動向に大きく影響されます。市場ニーズの変化への対応としては、顧客の多様なニーズに応えるための商品ラインナップの拡充や、付加価値の高いサービスの提供が重要になります。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品は、機械工具、産業機械、伝導機器などです。ライン設計・施工といった付加価値の高いサービスも提供しています。
6. 株価の評価
- 株価: 919.0円（2025年4月22日終値）
- PER（会社予想）: 24.82倍
- PBR（実績）: 0.67倍
- EPS（会社予想）: 37.02円
- BPS（実績）: 1,370.09円
PERは24.82倍であり、業界平均PER10.1と比較すると割高な水準です。PBRは0.67倍であり、割安感があります。EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安とは言い切れません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月15日に年初来安値875円を付けてから、株価は上昇傾向にあります。200日移動平均線980.54円を下回っており、中長期的なトレンドは弱気を示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で6,877百万円。2025年3月期第3四半期累計では4,794百万円（前年同期比-12.5%）と減少しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で73.65百万円。2025年3月期第3四半期累計では37百万円（前年同期比-55.1%）と大幅に減少しています。
- 経常利益: 2025年3月期第3四半期累計で119百万円（前年同期比-16.1%）
- 四半期純利益: 2025年3月期第3四半期累計で81百万円（前年同期比-14.9%）
- ROE（実績）: 3.83%
- 自己資本比率（実績）: 55.7%
売上高、利益ともに減少傾向にあり、業績は厳しい状況です。自己資本比率は55.7%と安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.54%
- 1株配当（会社予想）: 32.50円（うち記念配当2.50円）
- 配当性向: 65.72%
配当は実施しており、配当利回りも3%を超えています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にありますが、出来高は少ないため、モメンタムは弱いと考えられます。信用買残は増加、信用売残はゼロであり、個人投資家の関心はやや高まっている可能性があります。
11. 総評
植松商会は、東北地方を地盤とする機械工具専門商社です。業績は、製造業の設備投資の低迷により、売上高、利益ともに減少傾向にあります。株価は、PERが割高、PBRが割安という評価です。テクニカル面では、直近で株価は上昇していますが、中長期的なトレンドは弱気を示唆しています。配当は実施していますが、業績悪化を踏まえると、今後の動向に注意が必要です。投資判断にあたっては、今後の業績回復の見通しや、業界全体の動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9914 |
| 企業名 | 植松商会 |
| URL | http://www.uem-net.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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