1. 企業情報

  • 企業名: 花王株式会社(Kao Corporation)
  • 設立: 1940年5月21日(創業は1887年)
  • 所在地: 東京都中央区日本橋茅場町1-14-10
  • 代表者: 長谷部 佳宏
  • 従業員数: 32,566人
  • 事業内容: 家庭用品(トイレタリー、洗剤、衛生用品)、化粧品、ヘルスケア、ケミカル(化学品)などの開発・製造・販売を行う総合消費財メーカー。カネボウ化粧品を傘下に持ち、原料から製品まで一貫生産体制と独自の物流・販売網を有する。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: トイレタリー分野で国内トップシェア。化粧品分野でも大手。ケミカル事業も国内外で展開。
  • 競争優位性: 原料から製品までの一貫生産、独自の物流・販売システム、ブランド力が強み。
  • 課題: 国内市場の成熟化、中国など海外市場の消費低迷、原材料価格の変動リスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 「K27」中期経営計画を推進。グローバルでの成長と高付加価値製品の拡大を目指す。
  • 重点施策:
    • コンシューマープロダクツ事業でのグローバル・シャープトップ戦略
    • ケミカル事業での高付加価値製品展開
    • 組織・機能の再編による効率化(2025年1月より)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 生活必需品(洗剤、衛生用品等)を主力とし、景気変動の影響を受けにくい。化粧品やケミカルで成長を目指す。
  • 市場ニーズ適応力: サステナビリティや健康志向への対応、海外展開強化など、変化する消費者ニーズに柔軟に対応。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発: 洗浄・衛生技術、皮膚科学、界面活性剤などで独自技術を持つ。研究開発投資も積極的。
  • 主力製品・サービス: アタック(洗剤)、ビオレ(スキンケア)、メリーズ(ベビー用品)、カネボウ(化粧品)、ケミカル分野の高機能材料など。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 249.74円
  • BPS(実績): 2,296.69円
  • PER(会社予想): 24.45倍(業界平均20.4倍よりやや高い)
  • PBR(実績): 2.66倍(業界平均1.1倍より高い)
  • 株価: 6,102円
  • 理論株価の目安:
    • EPS×業界平均PER=249.74×20.4=約5,093円
    • BPS×業界平均PBR=2,296.69×1.1=約2,526円

現在株価は業界平均よりやや高めの水準。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値/安値: 6,734円 / 5,760円
  • 直近株価推移: 直近10日間は6,000円前後で推移。50日・200日移動平均線(6,392.60円、6,509.83円)を下回っており、やや調整局面。
  • 現在の位置: 年初来安値圏からやや戻した水準。高値圏ではない。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024年12月期 1兆6,284億円(前年比+6.3%)
  • 営業利益: 1,466億円(前年比+144.3%)
  • 純利益: 1,104億円(前年比+139.1%)
  • ROE: 10.51%(業界内では標準~やや高め)
  • ROA: 4.98%
  • 自己資本比率: 57.1%(財務健全性高い)
  • キャッシュフロー: 営業CF 2,016億円、フリーCF 1,052億円(安定的)
  • 利益率: 売上高営業利益率 9.0%、純利益率 6.62%
  • 過去推移: 2023年は一時的に利益が低下したが、2024年は大幅回復。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 2.52%(5年平均2.35%を上回る水準)
  • 1株配当(予想): 154円
  • 配当性向: 65.53%(安定配当方針を継続)
  • 自社株買い: 直近では大規模な自社株買い実施なし

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向: 直近1年で-5.74%とやや軟調。短期的には6,000円台で底堅い推移。
  • 出来高: 直近10日間で増加傾向、投資家の関心は一定水準。
  • 信用動向: 信用買残減少、売残増加。やや需給は悪化傾向。

11. 総評

花王は、国内トイレタリー市場でトップシェアを持ち、化粧品・ケミカル分野でも存在感を示す総合消費財メーカーです。2024年は業績が大幅に回復し、収益性・財務健全性ともに良好な水準を維持しています。中期経営計画「K27」に基づき、グローバル展開や高付加価値製品の拡大、組織再編による効率化を進めています。
株価は業界平均と比較してやや割高な水準ですが、安定した配当政策と財務基盤、生活必需品を中心とした事業モデルの安定性が特徴です。一方で、国内市場の成熟や海外市場のリスク、原材料価格の変動など課題も存在します。今後はグローバル市場での成長と高付加価値化の進展が注目されます。


企業情報

銘柄コード 4452
企業名 花王
URL http://www.kao.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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By シャーロット

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