1. 企業情報
会社概要
高松コンストラクショングループは、建築・土木・不動産・木造戸建住宅を主軸とする中堅ゼネコンです。賃貸マンション建築に強みを持つ高松建設と、土木事業に強い青木あすなろ建設を中核とし、積極的なM&Aも展開しています。事業内容は、賃貸マンションや公共施設、商業施設、医療・福祉施設などの建設、インフラ整備（道路・橋梁・トンネル等）、不動産の開発・売買・仲介、介護施設運営、木造住宅の販売など多岐にわたります。1917年創業、大阪市淀川区に本社を構えています。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション
準大手ゼネコンの一角であり、特に賃貸マンション建築と土木分野で存在感を発揮しています。業界大手（鹿島建設、大成建設など）には及ばないものの、専門性と地域密着型の事業展開で差別化を図っています。
競争優位性・課題
- 賃貸マンション建築のノウハウと実績
- 土木分野の技術力
- 不動産事業の成長
一方で、原材料価格や労務費の高騰、建設コストの上昇、労働力不足など、業界共通の課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
ビジョン・戦略
- 建築・土木・不動産の3本柱で安定成長を目指す
- M&Aによる事業領域拡大と多角化
- 不動産事業の拡大による収益源の多様化
- 労務・資材コスト上昇への対応力強化
中期経営計画の施策
- 収益力強化のためのコスト管理徹底
- 新規分野（再生可能エネルギー、介護施設等）への進出
- DX（デジタルトランスフォーメーション）推進による業務効率化
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル
建築・土木工事の請負収入、不動産売買・賃貸収入、木造住宅販売などが主な収益源です。不動産事業の拡大により、景気変動の影響を受けにくい収益構造を目指しています。
市場ニーズへの適応力
- 住宅・インフラ需要の底堅さ
- 高齢化社会に対応した介護施設事業
- 環境配慮型建設や再生可能エネルギー分野への対応
5. 技術革新と主力製品
技術開発・独自性
- 賃貸マンション建築の設計・施工ノウハウ
- 土木分野の特殊技術（トンネル、橋梁等）
- DX推進による現場管理・効率化
主力製品・サービス
- 賃貸マンション建築
- 土木インフラ工事
- 不動産開発・販売
- 介護施設運営
- 木造戸建住宅販売
6. 株価の評価
指標比較
- 株価：2,874円（2025/4/24終値）
- EPS（2024/3期）：263.25円
- BPS（2024/12期）：3,839.19円
- PER：2,874 ÷ 263.25 ≒ 10.9倍（業界平均14.0倍）
- PBR：2,874 ÷ 3,839.19 ≒ 0.75倍（業界平均1.1倍）
評価
PER・PBRともに業界平均を下回っており、割安感が見られます。
7. テクニカル分析
- 直近10日間で株価は2,621円から2,948円まで上昇後、2,874円で推移。
- 50日移動平均：2,753.72円、200日移動平均：2,816.91円
- 現在株価は両移動平均線よりやや上に位置し、52週高値（3,160円）からはやや下落、52週安値（2,413円）からは大きく上昇。
- 直近は高値圏からやや調整局面。
8. 財務諸表分析
売上・利益推移（過去4年）
| 年度 | 売上高（百万円） | 営業利益（百万円） | 純利益（百万円） |
|---|---|---|---|
| 2021/3 | 283,080 | 12,199 | 7,467 |
| 2022/3 | 263,907 | 11,225 | 6,727 |
| 2023/3 | 282,495 | 12,039 | 7,534 |
| 2024/3 | 312,679 | 11,652 | 9,165 |
- 売上高は増加傾向、純利益も回復傾向。
- 営業利益率はやや低下傾向。
- ROE：6.68%、ROA：2.87%
- 自己資本比率：約50%で財務安全性は高い。
9. 株主還元と配当方針
- 2025年3月期年間配当予想：82円
- 配当利回り：2.80%（直近株価ベース）
- 配当性向：約38%
- 5年平均配当利回り：3.02%
- 自社株買い等の大規模な株主還元策は確認できず
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近1ヶ月で株価は上昇基調、ただし高値圏から調整も見られる。
- 出来高は安定、信用取引残高も大きな偏りなし。
- インサイダー保有率が高く、安定した株主構成。
11. 総評
高松コンストラクショングループは、建築・土木・不動産の3本柱で安定した事業基盤を持つ準大手ゼネコンです。賃貸マンション建築や土木分野に強みがあり、不動産事業の拡大で収益多様化を進めています。原材料価格や労務費の上昇など業界共通の課題に直面していますが、売上・利益ともに回復傾向です。財務安全性も高く、配当利回りは業界平均並み、株価指標は割安感が見られます。株価は直近高値圏から調整中ですが、業績・財務の安定感が特徴です。
企業情報
| 銘柄コード | 1762 |
| 企業名 | 高松コンストラクショングループ |
| URL | http://www.takamatsu-cg.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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