1. 企業情報
ＡＳＴＩは、自動車用電装品、民生・産業機器、ワイヤーハーネスなどを製造・販売する企業です。具体的には、ECU（電子制御ユニット）、エアコンパネル、カーラジオ、スイッチセンサーなどの車載用電装品、洗濯機や乾燥機などの家電製品向け電子制御基板、産業用ロボットや表面実装機向けのコントローラー、ワイヤーハーネスなどを手掛けています。近年は、医療機器や電動車向け製品にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ＡＳＴＩは、車載電装品分野において、特定のニッチ市場で一定のシェアを占めていると考えられます。特に、産業用制御システムや家電・通信用電子部品の実装技術に強みを持っています。
競争優位性:
- 特定の製品分野における技術力
- 顧客ニーズへの対応力
課題:
- 自動車業界の競争激化
- 原材料価格の変動リスク
- 中国EV市場の動向
3. 経営戦略と重点分野
ＡＳＴＩは、中期経営計画「VISION2025」を推進しており、インド市場への注力やマネサール工場の増設計画を進めています。
重点分野:
- 車載電装品
- 民生産業機器
- ワイヤーハーネス
- 医療機器
- 電動車向け製品
4. 事業モデルの持続可能性
ＡＳＴＩの事業モデルは、自動車業界や産業機器市場の需要に依存しています。
収益モデル:
- 車載電装品、民生・産業機器、ワイヤーハーネスなどの製造・販売
- 製品の多様性によるリスク分散
市場ニーズの変化への適応力:
- 電動車向け製品への注力
- 医療機器分野への参入
5. 技術革新と主力製品
ＡＳＴＩは、ECUや各種センサーなどの車載電装品、産業用制御システム、家電・通信用電子部品の実装技術に強みを持っています。
主力製品:
- ECU（電子制御ユニット）
- 各種センサー
- 産業用コントローラー
- ワイヤーハーネス
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 1,881.0円 |
| PER（会社予想） | 5.35倍 |
| PBR（実績） | 0.23倍 |
| EPS（会社予想） | 351.91 |
| BPS（実績） | 8,015.06 |
| 配当利回り | 5.85% |
| 業界平均PER | 12.9 |
| 業界平均PBR | 0.8 |
評価:
- PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。
- PBRも低く、割安と判断できます。
- 配当利回りは高く、魅力的な水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1,733円から1,935円の範囲で変動しており、2025年4月24日の終値は1,881円でした。年初来高値は2,318円、年初来安値は1,588円です。50日移動平均線は2,075.36円、200日移動平均線は2,200.76円であり、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
判断:
- 直近の株価は、年初来高値からは下落していますが、年初来安値からは上昇しています。
- 移動平均線との比較では、やや弱気な状況です。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は636億円、2023年3月期は649億円、2022年3月期は588億円と、近年は増減を繰り返しています。
利益:
- 2024年3月期の営業利益は22.3億円、2023年3月期は18.9億円、2022年3月期は2.8億円と、変動が大きいです。
- 2024年3月期の当期純利益は27億円、2023年3月期は15.1億円、2022年3月期は7.0億円と、増加傾向にあります。
その他の指標:
- ROE（実績）: 11.88%
- ROA（過去12か月）: 1.93%
- 自己資本比率（実績）: 50.6%
評価:
- 売上高は安定していません。
- 利益は変動が大きいものの、近年は改善傾向にあります。
- ROEは比較的高く、資本効率は良好です。
- 自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.85%
- 1株配当（会社予想）: 110.00円
- 配当性向: 34.77%
評価:
- 高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
- 配当性向は、適度な水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は、上昇と下落を繰り返しています。
- 出来高は、日によって変動があります。
- 信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
株価への影響を与える要因:
- 自動車業界の動向
- 中国EV市場の動向
- 原材料価格の変動
- 円安の進行
11. 総評
ＡＳＴＩは、車載電装品を中心に、産業機器、ワイヤーハーネスなど幅広い分野で事業を展開しています。高い配当利回りや割安な株価評価が魅力ですが、業績の変動や、自動車業界の競争激化、中国EV市場の動向など、注意すべき点もあります。
総合的な見解:
- 割安感: PER、PBR、配当利回りから見て、割安な水準にあると考えられます。
- 業績の変動: 過去の業績は変動が大きいため、今後の動向を注視する必要があります。
- 今後の注目点: 中国EV市場の動向、原材料価格の変動、円安の影響、中期経営計画の進捗状況。
企業情報
| 銘柄コード | 6899 |
| 企業名 | ASTI |
| URL | http://www.asti.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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