1. 企業情報

概要

アイシンはトヨタグループの主要部品メーカーであり、世界首位の自動変速機(AT)をはじめとするパワートレイン関連製品、走行安全システム、車体関連部品などを製造・販売しています。また、エネルギーソリューション(家庭用燃料電池「エネファーム」等)や生活関連製品、モビリティソリューションにも展開。2021年にアイシンAWと統合し、電動車向け部品の強化を進めています。従業員数は約11.5万人、愛知県刈谷市に本社を置きます。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: アイシンは自動変速機(AT)で世界首位のシェアを持ち、トヨタ自動車を主顧客としつつ、グローバルに自動車部品を供給しています。パワートレイン分野での競争優位性が際立っています。
  • 競争優位性・課題: トヨタグループの安定した受注基盤、電動化対応力が強み。一方、電動車(EV)普及によるAT需要減少や、グローバル競争激化、為替・関税リスクが課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 「モビリティ社会の進化を支える」を掲げ、電動化・自動運転・コネクテッド分野へのシフトを加速。
  • 中期経営計画:
    • パワートレインの電動化(ハイブリッドトランスミッション、eAxle等)の拡販
    • 収益性向上のための構造改革
    • グローバル生産体制の最適化
    • エネルギーソリューション等の新規事業育成

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 主力のパワートレイン関連(売上比率56%)を軸に、走行安全・車体・エネルギー等多角化。トヨタグループ依存度は高いものの、グローバルで他社向け供給も拡大中。
  • 市場ニーズ変化への対応: 電動化・自動運転等の新潮流に合わせた製品開発を推進。EV化によるAT需要減少にはeAxle等新製品で対応。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向・独自性: 世界トップクラスのAT技術、ハイブリッド用トランスミッション、eAxle(電動駆動ユニット)などで先進性。自動駐車システム、電子制御ブレーキ等の先進運転支援技術も強化。
  • 主力製品・サービス:
    • AT・ハイブリッドトランスミッション
    • 電動駆動ユニット(eAxle)
    • 自動駐車システム
    • エネファーム(家庭用燃料電池)

6. 株価の評価

  • 指標比較
    • 現在株価:1,732.5円
    • 予想EPS:164.98円
    • 予想PER:13.66倍(業界平均13.3倍と同水準)
    • 実績BPS:2,609.69円
    • 実績PBR:0.65倍(業界平均0.8倍より割安水準)
  • 評価

株価はPER・PBRともに業界平均と比較してバリュエーションはやや割安感が見られます。

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 年初来高値:1,906円
    • 年初来安値:1,280円
    • 直近終値:1,732.5円
    • 50日移動平均:1,681.8円
    • 200日移動平均:1,667.16円
  • 現状

直近で急騰し、移動平均線を上回る水準。高値圏に近いが、年初来高値(1,906円)には届かず。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益推移
    • 売上高:2025年3月期4,896,104百万円(前期比0.3%減)
    • 営業利益:2025年3月期202,941百万円(前期比41.5%増)
    • 純利益:2025年3月期124,220百万円(前期比10.1%増)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:339,870百万円(前期比減少)
    • 投資CF:△146,948百万円
    • 財務CF:△270,221百万円
  • ROE/ROA
    • ROE:4.67%(やや低水準)
    • ROA:2.43%
  • 自己資本比率
    • 46.1%(健全水準)
  • 傾向

売上は横ばいだが、営業利益・純利益は改善傾向。収益性指標は業界平均と比較しやや低め。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り
    • 会社予想:3.46%(直近配当実績は4%超)
  • 配当性向
    • 65.15%(安定的な還元姿勢)
  • 自社株買い
    • 自己株式取得・消却の実施あり
  • 方針

安定配当を基本とし、業績に応じた増配や自社株買いも実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動
    • 直近10日で1,430円台から1,700円台まで大幅上昇
    • 出来高急増(4月25日:12,066,400株)
  • 要因
    • 決算発表による業績改善の評価
    • 株式分割・配当政策などの株主還元策が好感された可能性
  • 投資家関心
    • トヨタ系の安定性、電動化対応力への注目が継続

11. 総評

アイシンはトヨタグループの中核部品メーカーとして、世界首位のAT技術を軸に、電動化・自動運転など次世代モビリティ分野へ積極的にシフトしています。直近決算では営業利益・純利益ともに増加し、構造改革や円安効果が寄与。財務基盤も堅固で、配当・自社株買い等の株主還元も安定的です。株価は直近で大きく上昇し、バリュエーションは業界平均並みまたはやや割安水準。今後はEV化の進展やグローバル競争、為替・関税リスクへの対応が引き続き注目されます。


企業情報

銘柄コード 7259
企業名 アイシン
URL https://www.aisin.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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By シャーロット

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