1. 企業情報
アツギ株式会社は、ストッキング、パンティストッキング、ランジェリーなどの婦人向け繊維製品を主力とする企業です。国内大手であり、中国での生産も行っています。近年は、不動産事業や介護用品販売など、多角化も進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
アツギは、ストッキングやインナーウェアの分野で国内大手としての地位を確立しています。しかし、少子高齢化や消費者のライフスタイルの変化、競合他社の台頭など、厳しい市場環境に置かれています。中国への生産移管はコスト削減に貢献していますが、為替変動リスクも存在します。
3. 経営戦略と重点分野
アツギは、中期経営計画「ATSUGI VISION 2024」を改訂し、事業構造改革を進めています。具体的には、D2C販売の強化、保有資産の有効活用、太陽光発電や介護事業の推進などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
アツギの収益モデルは、主にストッキングやインナーウェアの販売に依存しています。市場ニーズの変化への対応として、D2C販売の強化や、多様な商品ラインナップの拡充が重要となります。また、不動産事業や介護用品販売など、既存事業以外の収益源の育成も課題です。
5. 技術革新と主力製品
アツギは、長年の経験と技術力に基づいた高品質な製品を提供しています。主力製品であるストッキングやインナーウェアは、女性のニーズに応えるべく、機能性やデザイン性を追求しています。
6. 株価の評価
- 株価: 970.0円（2025年4月25日終値）
- PER（会社予想）: 11.95倍 (業界平均: 12.6)
- PBR（実績）: 0.46倍 (業界平均: 0.5)
- EPS（会社予想）: 81.15円
- BPS（実績）: 2,128.57円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも同様に割安です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、945円から1003円の間を変動しており、200日移動平均線（913.55円）を上回っています。年初来高値（1,161円）からは下落していますが、52週安値（570円）からは上昇しており、底堅さも見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は212億円、2023年3月期は205億円と、増収傾向にあります。
- 営業利益: 2024年3月期は-4.26億円と赤字です。2023年3月期も-2.13億円と赤字でした。
- 当期純利益: 2024年3月期は1.33億円と黒字転換しました。
- ROE（実績）: 4.14%
- 自己資本比率（実績）: 79.6%
売上高は増加傾向にあるものの、営業利益は赤字が続いており、収益性の改善が課題です。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
アツギは現在、無配当です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年4月14日以降、上昇傾向にあります。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心も高まっていると考えられます。
11. 総評
アツギは、ストッキングやインナーウェアの分野で国内大手としての地位を確立していますが、厳しい市場環境に直面しています。業績は、2024年3月期に黒字転換したものの、営業利益は赤字が続いており、収益性の改善が急務です。株価は割安感があり、テクニカル的にも底堅さが見られます。今後の株価は、事業構造改革の進捗、収益性の改善、そして市場環境の変化に左右されると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 3529 |
| 企業名 | アツギ |
| URL | https://www.atsugi.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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