1. 企業情報
- 事業内容
コプロ・ホールディングスは、建設業界を中心とした専門技術者の人材派遣を主力事業とする企業です。施工管理者や設備技術者、CADオペレーター、プラント技術者などを大手ゼネコンやプラントエンジニアリング企業へ派遣しています。職業紹介や再就職支援、ITエンジニア派遣、機械設計エンジニア派遣なども展開。国内外に事業を展開しており、名古屋市に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性
建設業界向けに特化した技術者派遣で強みを持ち、大手ゼネコン向けが売上の約2割を占めます。技術者の高齢化と若手不足という業界課題に対し、若手技術者の採用・育成力が競争優位性となっています。
– 課題
建設業界全体の人材不足や2024年4月からの時間外労働上限規制など、外部環境の変化に対する対応が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略
中期経営計画「Build the Future 2027」に基づき、持続的な成長を目指しています。
– 重点施策
– 技術者の採用・育成強化
– IT・機械設計分野への事業拡大
– 労働環境の改善と定着率向上
– 新規顧客開拓および既存顧客との関係強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
技術者派遣による安定したストック型収益が中心。建設業界の人材不足という構造的な市場ニーズに支えられています。
– 市場ニーズへの適応力
派遣分野の多角化や若手技術者の育成、IT分野への進出など、業界変化への対応力を持っています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
派遣人材の教育・研修体制の強化や、IT・CAD分野への対応力向上に注力。
– 収益を牽引するサービス
建築・土木・設備分野の施工管理者派遣が主力。ITエンジニアや機械設計エンジニアの派遣も拡大中。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 17.65倍（業界平均17.0倍と同水準）
- PBR（実績）: 3.96倍（業界平均1.8倍を上回る）
- EPS（会社予想）: 91.96円
- BPS（実績）: 409.81円
- 株価（4/25終値）: 1,623円
- 理論株価の目安
- EPS×業界平均PER = 91.96×17.0 ≒ 1,563円
- BPS×業界平均PBR = 409.81×1.8 ≒ 738円
現在株価はPER水準で業界平均に近いですが、PBRでは大きく上回っています。
7. テクニカル分析
- 株価推移
直近10日間で1,488円から1,623円まで上昇。50日移動平均（1,609円）、200日移動平均（1,596円）を上回って推移。
– 高値・安値圏
年初来高値1,789円、安値1,309円。現在は高値圏に近い水準。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益
- 売上高: 24,098百万円（2024/3期）、前年比+28%
- 営業利益: 2,141百万円、前年比+62%
- 純利益: 1,463百万円、前年比+69%
- キャッシュフロー
- 総現金: 5,920百万円
- 流動比率: 2.37（安全性高い）
- 収益性指標
- ROE: 19.38%（実績）、24.72%（直近12か月）
- ROA: 15.44%
- 自己資本比率
66.3%（財務健全）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.70%（60円/株）
- 配当性向: 56.37%
- 自社株買い: 2024年6月～8月に600,000株・8億円上限の自己株式取得を実施予定
- 配当方針: 安定配当を基本とし、業績に応じた増配も実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム
直近10日間で上昇傾向。信用買残が多く、信用倍率も高い（206倍）ため、短期的には需給の偏りに注意が必要です。
– 投資家関心
インサイダー保有比率が高く（62.8%）、流動株は限定的。配当・自社株買いによる株主還元策もあり、個人投資家の関心が高いとみられます。
11. 総評
コプロ・ホールディングスは、建設業界向け技術者派遣に特化し、業界の人材不足という構造的なニーズを背景に高成長を継続しています。財務基盤は健全で、収益性・効率性も高い水準です。株価はPER・PBRともに業界平均を上回る水準で推移しており、成長期待が株価に織り込まれている状況です。配当利回りも高く、株主還元策も積極的に実施されています。今後も業界動向や人材需給の変化、規制環境の影響に注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7059 |
| 企業名 | コプロ・ホールディングス |
| URL | https://www.copro-h.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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