1. 企業情報
グンゼは、紳士肌着で国内トップシェアを誇る老舗企業です。アパレル事業に加え、機能性フィルム、エンジニアリングプラスチックスなどの機能ソリューション事業、医療用材料（メディカル事業）、スポーツクラブ運営などのライフクリエイト事業を展開しています。近年は、再生医療分野にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 紳士肌着分野で高いシェアを維持しており、ブランド力と販売網が強みです。
- 競争優位性: 長年の歴史で培われた技術力、素材開発力、安定した顧客基盤が強みです。
- 課題: アパレル市場全体の競争激化、原材料価格の高騰、消費者の低価格志向への対応が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画「VISION 2030 stage1」を推進し、「新たな価値の創出」「資本コスト重視の経営」「企業体質の進化」「環境に配慮した経営」を基本戦略としています。
- 重点分野:
- 機能ソリューション事業の拡大（特にエンジニアリングプラスチックス、電子機能材料）
- メディカル事業の成長（再生医療分野への注力）
- アパレル事業の収益性改善（EC強化、高付加価値商品の開発）
- ライフクリエイト事業の収益性向上（スポーツクラブの構造改革）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 安定したアパレル事業に加え、高付加価値製品や成長分野への投資による収益拡大を目指しています。
- 市場ニーズへの適応力: 機能性素材の開発、医療分野への進出など、市場ニーズの変化に対応しようとしています。
- リスク: アパレル市場の低迷、原材料価格変動、競合激化などがリスク要因です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 機能性繊維、プラスチックフィルム、医療材料などの分野で技術開発を進めています。
- 主力製品:
- 紳士肌着
- 機能性フィルム
- 医療用縫合糸、骨接合材
- エンジニアリングプラスチックス
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 11.34倍 (業界平均: 21.7)
- PBR（実績）: 0.71倍 (業界平均: 1.0)
- EPS（会社予想）: 225.40円
- BPS（実績）: 3,611.59円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、2,500円台で推移しています。
- 年初来高値: 2,750円
- 年初来安値: 2,283円
- 50日移動平均: 2,556.80円
- 200日移動平均: 2,641.85円
株価は50日移動平均線を上回っていますが、200日移動平均線を下回っており、方向感は判断が難しい状況です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で1328.85億円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で67.77億円。
- ROE（実績）: 4.36%
- ROA（過去12ヶ月）: 2.46%
- 自己資本比率: 73.2%
売上高は安定していますが、ROE、ROAはやや低調です。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.07%
- 1株配当（会社予想）: 78.50円
- 配当性向: 45.90%
- 株主還元策: 安定的な配当を実施しています。2025年3月期は株式分割を予定しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近では上昇傾向にあります。
- 株価への影響要因:
- 業績動向（特に機能ソリューション事業、メディカル事業の成長）
- 原材料価格の変動
- アパレル市場の動向
- 株式分割による流動性の向上
11. 総評
グンゼは、紳士肌着で安定した収益基盤を持ちながら、機能ソリューション事業やメディカル事業への成長投資を進めています。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。
* ポジティブ要素: 安定した事業基盤、高配当、成長分野への投資。
* ネガティブ要素: アパレル市場の低迷、ROEの低さ、原材料価格変動リスク。
総合的な見解:
グンゼは、安定した事業基盤と成長への期待が共存する銘柄です。今後の業績動向、特に機能ソリューション事業とメディカル事業の成長に注目です。株価は割安感があるため、中長期的な視点での投資を検討する価値はあります。ただし、アパレル市場の動向や原材料価格の変動リスクには注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3002 |
| 企業名 | グンゼ |
| URL | http://www.gunze.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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