1. 企業情報
東海運は、太平洋セメント系の物流会社であり、海運、不動産、その他事業を展開しています。特に、アジア船ターミナル業務とロシア向け国際輸送に強みを持っています。また、トマト栽培も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
東海運は、セメント関連の輸送を主要顧客とするため、特定の顧客基盤を持つことが強みです。しかし、物流業界は競争が激しく、大手企業との競争も存在します。ロシア向け輸送は、地政学リスクの影響を受けやすい可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
2024年度から2026年度までの3カ年を対象期間とする中期経営計画を策定しています。詳細な内容は不明ですが、物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業の各セグメントにおいて、事業基盤の強化を図っていると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは、物流、海運、不動産、その他事業の複合的なポートフォリオによって支えられています。市場ニーズの変化への適応力としては、多角的な事業展開がリスク分散に貢献していると考えられます。しかし、主要顧客である太平洋セメントの業績に左右される側面もあります。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品は、アジア船ターミナル業務、ロシア向け国際輸送、およびトマト栽培です。
6. 株価の評価
- 株価: 321.0円 (2025年4月25日終値)
- PER（会社予想）: 15.73倍 (業界平均: 11.8)
- PBR（実績）: 0.52倍 (業界平均: 0.5)
- EPS（会社予想）: 20.41円
- BPS（実績）: 619.08円
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均と同程度であり、割安感はありません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、311円から324円の間を変動しており、320円近辺で推移しています。年初来高値388円、年初来安値286円と比較すると、現在は年初来安値から上昇し、高値圏には達していません。50日移動平均線345.72円、200日移動平均線326.90円を下回っており、短期的な下落トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は397億47百万、2023年3月期は414億67百万と減少傾向。
- 営業利益: 2024年3月期は2億88百万円、2023年3月期は6億66百万円と減少。
- 当期純利益: 2024年3月期は3億17百万円、2023年3月期は1億97百万円と増加。
- ROE（実績）: 1.92%
- ROA（過去12か月）: 0.92%
- 自己資本比率（実績）: 43.5%
売上高は減少傾向にありますが、当期純利益は増加しています。ROEは低く、収益性の改善が課題です。自己資本比率は43.5%と、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.18%
- 1株配当（会社予想）: 7.00円
- 配当性向: 44.16%
- 自社株買い: 実施の記載なし
配当利回りは平均的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は小幅な変動にとどまっています。信用買い残は増加傾向、信用売り残は減少傾向にあり、投資家の関心はやや高まっている可能性があります。
11. 総評
東海運は、太平洋セメント系の物流会社であり、安定した顧客基盤を持っています。しかし、売上高の減少、低いROE、PERの割高感など、いくつかの課題があります。一方、当期純利益の増加、自己資本比率の高さはプラス材料です。今後の業績動向、特に中期経営計画の進捗に注目する必要があります。
テクニカル面では、短期的な下落トレンドを示唆しており、今後の株価の動きには注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 9380 |
| 企業名 | 東海運 |
| URL | http://www.azumaship.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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