1. 企業情報
株式会社ワールドは、アパレル製品を主力とする総合アパレル企業です。婦人服、紳士服、子供服、服飾雑貨など幅広い商品を企画・製造・販売しており、百貨店やショッピングセンター、自社ECサイトなどで展開しています。また、BtoB向けのプラットフォーム事業やデジタル事業にも注力し、事業の多角化を進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ワールドは、国内アパレル業界において大手の一角を占めています。多種多様なブランドを展開し、幅広い顧客層をカバーしている点が強みです。
競争優位性:
- 多様なブランドポートフォリオ
- OMO戦略（Online Merges with Offline）の推進
- BtoB、デジタル、プラットフォーム事業への注力による多角化
課題:
- アパレル業界全体の市場縮小
- 競合他社との差別化
- 原材料価格の高騰
3. 経営戦略と重点分野
ワールドは、中期経営計画「PLAN-W」を推進しており、2年目の目標を達成しています。
経営ビジョン:
- ブランドポートフォリオ戦略の完遂
- 高付加価値商品の開発
- OMO戦略の強化
- B2Bソリューションの収益回収
- B2Cサーキュラーの成長加速
- プラットフォームの外部企業へのオープン化
中期経営計画の重点分野:
- ブランド事業の強化
- デジタル事業の拡大
- プラットフォーム事業の成長
4. 事業モデルの持続可能性
ワールドの事業モデルは、多角化戦略とOMO戦略によって持続可能性を高めています。
収益モデル:
- ブランド事業：百貨店、ショッピングセンター、ECサイトでの販売
- デジタル事業：EC運営受託、B2Cネオエコノミー
- プラットフォーム事業：生産・販売プラットフォームの提供
市場ニーズの変化への適応力:
- ECサイトの強化
- BtoB、デジタル、プラットフォーム事業への注力
- サステナビリティへの取り組み
5. 技術革新と主力製品
ワールドは、技術革新というよりは、商品企画力や販売チャネルの多様化に強みを持っています。
主力製品:
- 婦人服、紳士服、子供服、服飾雑貨など、多岐にわたるブランドを展開
6. 株価の評価
- 株価: 2,594.0円 (2025年4月25日終値)
- EPS (会社予想): 328.73円
- PER (会社予想): 7.89倍 (業界平均: 21.7倍)
- BPS (実績): 2,384.90円
- PBR (実績): 1.09倍 (業界平均: 1.0倍)
PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRは業界平均並みです。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2,500円台後半で推移しており、200日移動平均線（2263.67円）を上回っています。年初来高値（2,766円）に近づきつつあり、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
過去12ヶ月の財務指標:
- 売上高: 225,660百万円
- 営業利益: 16,796百万円
- 当期利益: 11,105百万円
- ROE: 14.00%
- ROA: 4.16%
過去の傾向:
- 売上高は増加傾向にあります。
- 営業利益、当期利益も増加傾向にあり、業績は回復基調です。
- ROEは13.6%と高い水準です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.09%
- 1株配当（会社予想）: 106.00円
- 配当性向: 30.42%
- 自社株買い: なし
配当利回りは比較的高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。配当性向も30%台と、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 2025年4月25日の終値は2,594円。
- 株価への影響要因:
- アパレル業界の動向
- 中期経営計画の進捗
- EC売上の伸び
- 配当政策
11. 総評
ワールドは、多角的な事業展開と高い株主還元が魅力的な企業です。業績は回復基調にあり、PERは割安感があります。株価は高値圏にありますが、今後の成長戦略や配当政策に注目することで、投資妙味があると考えられます。ただし、アパレル業界の競争激化や景気変動リスクには注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3612 |
| 企業名 | ワールド |
| URL | http://corp.world.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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