1. 企業情報
小田原機器は、路線バスや鉄道向けの運賃収受機器（運賃箱、ICカードシステムなど）を主力とする企業です。自動運転支援分野にも進出しています。
* 事業内容: 運賃収受機器事業が売上の大部分を占め、システム開発事業も展開しています。
* 市場区分: 東京証券取引所スタンダード市場
* 特徴: 路線バス向け運賃収受機器で高いシェアを持ち、新紙幣対応やキャッシュレス化の進展による需要増が期待されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
小田原機器は、路線バス向け運賃収受機器の分野で高い市場シェアを有しています。
* 競争優位性: 長年の実績と技術力、公共交通機関との強固な関係が強みです。
* 課題: 運転手不足や人件費の高騰、競合他社との競争激化、部品供給の安定化などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、収益の安定化と持続的な成長を目指し、中期経営計画を策定しています。
* ビジョン: 詳細は不明ですが、新紙幣対応やキャッシュレス化への対応、自動運転支援分野への進出を通じて、事業の拡大を目指していると考えられます。
* 重点分野:
* 新紙幣発行に伴う機器更新需要への対応
* キャッシュレス決済端末の需要獲得
* データサービスソリューションの事業化
* 研究開発投資の強化
4. 事業モデルの持続可能性
事業モデルは、公共交通機関のインフラ投資や、キャッシュレス化の進展に依存しています。
* 収益モデル: 運賃収受機器の販売、システム開発、メンテナンスサービスが主な収益源です。
* 市場ニーズへの適応力: 新紙幣対応、キャッシュレス化、自動運転技術への対応など、市場ニーズの変化に対応することで、持続的な成長を目指しています。
5. 技術革新と主力製品
小田原機器は、運賃収受機器に関する技術開発を行っています。
* 技術開発の動向: キャッシュレス決済対応、自動運転支援技術の開発などが進められています。
* 主力製品: 運賃箱、ICカードシステム、キャッシュレス決済端末などが主力製品です。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 40.69円
- PER（会社予想）: 24.75倍
- BPS（実績）: 1,305.74円
- PBR（実績）: 0.77倍
業界平均との比較:
- 業界平均PER: 7.3
- 業界平均PBR: 0.5
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均より高く、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価: 1,007円（2025年4月25日終値）
- 年初来高値: 1,220円
- 年初来安値: 925円
- 直近の株価推移: 2025年4月17日に大きく上昇した後、調整局面に入り、足元では1,000円近辺で推移しています。
- 50日移動平均: 998.36円
- 200日移動平均: 1143.19円
株価は年初来高値からは下落していますが、50日移動平均線を上回っており、底堅さもみられます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 2024年12月期 | 2023年12月期 | 2022年12月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,110百万円 | 6,110百万円 | 3,930百万円 | 4,687百万円 |
| 営業利益 | 390百万円 | 390百万円 | 209百万円 | 25百万円 |
| 経常利益 | 382百万円 | 382百万円 | 225百万円 | 34百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 293百万円 | 293百万円 | 192百万円 | -43百万円 |
| ROE | 7.25% | – | – | – |
| ROA | 2.79% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 42.0% | – | – | – |
- 売上高: 2024年12月期は、新紙幣関連の需要やキャッシュレス決済の拡大により、大幅な増収となりました。
- 利益: 増収に伴い、営業利益、経常利益、当期純利益も大幅に増加しました。
- ROE: 7.25%と、一定の収益性を示しています。
- 自己資本比率: 42.0%と、財務基盤は安定しています。
- キャッシュフロー: 営業CFはマイナスですが、投資CF、財務CFはプラスです。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.78%
- 1株配当（会社予想）: 28.00円
- 配当性向: 30.17%
- 株主還元策: 2024年12月期の年間配当は28円と、前期から増配となりました。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は、1,000円近辺で小幅な変動を繰り返しています。
- 株価への影響要因:
- 新紙幣発行に伴う機器更新需要
- キャッシュレス化の進展
- 自動運転支援分野への期待
- 業績予想の上方修正の有無
- 競合他社の動向
- 世界的な半導体不足の影響
11. 総評
小田原機器は、路線バス向け運賃収受機器で高いシェアを持ち、安定した収益基盤を築いています。新紙幣対応やキャッシュレス化の進展、自動運転支援分野への進出など、成長の機会も多く、今後の業績拡大が期待できます。2024年12月期は増収増益と好調な業績を示しており、配当も増額されています。ただし、PERは業界平均よりも高く、割高感がある点には注意が必要です。
* 今後の業績動向（特に、新紙幣関連需要の持続性、キャッシュレス化の進展、自動運転支援分野の成長性）を注視する必要があります。
* 競合他社の動向や、部品供給の安定性なども重要な要素となります。
* 株価の変動リスクを考慮し、長期的な視点での投資を検討することが望ましいでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 7314 |
| 企業名 | 小田原機器 |
| URL | http://www.odawarakiki.com |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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