1. 企業情報
株式会社イルグルムは、主にインターネット広告の効果測定プラットフォーム「AD EBiS」を中核とするマーケティングDX支援事業を展開しています。ECサイト構築支援や、クリエイティブ制作、動画メディア運営など、多角的な事業も展開しており、企業のマーケティング活動を幅広く支援しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
イルグルムは、ネット広告の効果測定サービスにおいて国内で高いシェアを誇っています。ECサイト構築支援や関連サービスも提供しており、これらの分野での成長も期待できます。
競争優位性:
- 「AD EBiS」を始めとする効果測定プラットフォームの強固な基盤
- ECサイト構築支援における実績とノウハウ
- マーケティングDX支援における幅広いサービスラインナップ
課題:
- 市場競争の激化（特に広告効果測定分野）
- EC市場における競争激化
- 事業多角化による経営資源の最適配分
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
中期経営計画「VISION2027」を掲げ、マーケティングDX支援事業とコマース支援事業の成長を目指しています。
中期経営計画の重点分野:
- マーケティングDX支援事業: 広告効果測定におけるクロスセルの強化、新たなSaaSの提供、人的支援サービスの強化。2027年9月期までに過去最高アカウント数の更新を目指す。
- コマース支援事業: EC構築・運用支援領域の更なる売上拡大、「EC-CUBE Enterprise」の継続開発による収益性改善。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 広告効果測定プラットフォーム「AD EBiS」などの利用料
- ECサイト構築・運用支援サービス
- クリエイティブ制作、動画メディア運営などのサービス提供
市場ニーズの変化への適応力:
インターネット広告市場やEC市場の成長を取り込み、マーケティングDX支援というニーズに応えることで、収益の持続的な成長を目指しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- 広告効果測定技術の高度化
- ECサイト構築・運用支援における技術開発
- SaaS型サービスの開発
収益を牽引している製品やサービス:
- AD EBiS（広告効果測定プラットフォーム）
- EC-CUBE関連サービス
6. 株価の評価
- 株価: 530.0円 (2025年4月25日終値)
- EPS (会社予想): 16.23円
- PER (会社予想): 32.66倍
- BPS (実績): 290.23円
- PBR (実績): 1.83倍
評価:
EPSとPERから、現在の株価は割安感があるとは言えません。PBRは1倍台であり、割安とは言い切れません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月23日に15万株を超える出来高を伴い大きく上昇した後、調整局面に入っているように見えます。50日移動平均線（557.50円）と200日移動平均線（571.30円）を下回っており、短期的なトレンドは弱気と判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で38.8億円。
利益:
- 営業利益は、2023年9月期3.18億円から、過去12ヶ月で1.64億円と減少しています。
- 当期純利益は、2023年9月期1.97億円から、過去12ヶ月で0.68億円と減少しています。
キャッシュフロー: 情報不足のため評価できません。
ROE (過去12ヶ月): 3.56%
ROA (過去12ヶ月): 2.58%
評価:
売上高は増加傾向にあるものの、利益率は低下傾向にあります。ROE、ROAも低く、収益性の改善が課題です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 1.49%
- 1株配当 (会社予想): 7.90円
- 配当性向: 情報不足のため評価できません。
- 自社株買い: 実施状況は不明です。
評価:
配当利回りはそれほど高くありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は、上昇と下落を繰り返しており、方向感に欠ける状況です。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。信用倍率は43.78倍と高く、過熱感が見られます。
株価への影響要因:
- インターネット広告市場、EC市場の動向
- 新製品・サービスの投入状況
- 業績発表
- 競合他社の動向
11. 総評
イルグルムは、ネット広告効果測定で高いシェアを持ち、ECサイト構築支援など多角的な事業を展開しています。しかし、直近の業績は減益傾向にあり、収益性の改善が課題です。株価はPER、PBRから割安感はなく、テクニカル的にも調整局面にあるように見えます。今後の成長戦略の進捗、特にマーケティングDX支援事業とコマース支援事業の拡大に注目する必要があります。投資判断にあたっては、業績の回復、収益性の改善、株価の動向などを総合的に判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 3690 |
| 企業名 | イルグルム |
| URL | https://www.yrglm.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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