1. 企業情報
- 企業名: 株式会社名古屋銀行
- 設立: 1949年2月24日
- 本社所在地: 愛知県名古屋市中区錦3-19-17
- 代表者: 藤原 一朗
- 従業員数: 1,936人（平均年齢41.1歳、平均年収630万円）
- 事業内容: 名古屋銀行は、愛知県を中心とした地域密着型の地方銀行です。主力の銀行業務に加え、リース業務、クレジットカード業務、事務受託業務も展開しています。預金・貸出・為替・有価証券投資・企業債の引受・登録など幅広い金融サービスを提供。資金の運用・調達は中小企業向け融資が中心で、住宅ローンや消費者ローンも取り扱っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 愛知県内の地方銀行3行中で首位、第二地銀のリーダー格。十六銀行、百五銀行、静岡銀行などと連携し、地域金融の中核的存在です。
- 競争優位性・課題: 地域密着型営業に強みがあり、地元企業や個人との関係が深い一方、人口減少や地銀全体の収益環境悪化、デジタル化への対応が課題です。業界平均PER・PBRと比較しても割安感が見られますが、自己資本比率はやや低めです。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略: 「地域社会とともに成長する銀行」を掲げ、地域経済の発展支援、顧客基盤の拡大、デジタル化推進を重視。
- 中期経営計画:
- 地域企業へのコンサルティング機能強化
- デジタルチャネルの拡充
- 事業承継・M&A支援
- サステナビリティ経営への取り組み
- 非金利収益の拡大（リース・カード等）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 貸出金利息が収益の柱で、中小企業向け融資比率が高い。リース・カード事業も収益源。今後は非金利収益の拡大やデジタルサービスの進化が持続性の鍵となります。
- 市場ニーズ適応力: 地域密着型で顧客基盤は安定しているが、人口減少や競争激化への対応が求められています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: デジタルチャネル・オンラインサービス拡充、キャッシュレス決済・カード事業の強化など、IT投資を進めています。
- 主力サービス:
- 中小企業向け融資
- 住宅ローン
- リース・クレジットカード事業
6. 株価の評価
- PER（予想）: 8.04倍（業界平均10.7倍より低い）
- PBR（実績）: 0.41倍（業界平均0.4倍と同水準）
- EPS（予想）: 900.35円
- BPS（実績）: 17,669.57円
- 株価（4/25終値）: 7,240円
- 理論株価比較:
- PBR、PERともに業界平均より割安水準。
- BPS比で株価は約0.41倍と、解散価値に対して低い水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間で6,130円→7,240円へ上昇。年初来高値8,430円、安値5,440円。50日移動平均7,251円、200日移動平均6,802円。
- 現在の株価位置: 直近で急上昇後、やや調整局面。高値圏と安値圏の中間～やや高値寄り。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益:
- 売上（経常収益）は2021年～2024年で増加傾向（65,122→93,444百万円）。
- 純利益も増加傾向（10,726→11,154百万円）。
- EPSも増加（592.25→667.44円）。
- キャッシュフロー: 詳細なCF計算書は未開示。
- ROE・ROA:
- ROE（実績）: 3.66%（過去12か月5.16%）
- ROA（過去12か月）: 0.25%
- 自己資本比率:
- 9%～5.6%とやや低水準で、財務健全性には注意が必要。
- 利益率:
- 営業利益率26.85%、純利益率16.12%（過去12か月）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.73%（会社予想）、過去5年平均3.10%
- 配当性向: 24.18%（健全水準）
- 自社株買い: 自己株式保有割合は0.38%と限定的
- 配当方針: 安定配当を基本としつつ、業績向上に応じて増配傾向
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近で急騰後、やや調整。3か月平均出来高7.3万株、直近10日平均8.1万株と流動性は標準的。
- 信用取引動向: 信用買残が多く（倍率20倍超）、買い方優勢。直近は買残減少・売残増加でやや需給悪化傾向。
- 投資家構成: 機関投資家36.5%、インサイダー16.3%と安定株主多い。
11. 総評
名古屋銀行は、愛知県を中心とした地域密着型の地方銀行として、安定した顧客基盤と中小企業向け融資に強みを持っています。業績は堅調に推移し、利益・EPSともに増加傾向。PER・PBRともに業界平均より割安で、配当利回りも高めに推移しています。一方で、自己資本比率がやや低く、財務健全性には一定の注意が必要です。今後は、デジタル化や非金利収益の拡大、地域経済の変化への対応が持続的成長の鍵となります。株価は直近で上昇後に調整しており、需給面では信用買い残が多い状況です。全体として、安定成長と株主還元を重視する姿勢が見られます。
企業情報
| 銘柄コード | 8522 |
| 企業名 | 名古屋銀行 |
| URL | http://www.meigin.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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