1. 企業情報

松田産業株式会社は、主に貴金属リサイクル事業および食品関連事業を展開する企業です。
貴金属関連事業:電子部品や宝飾品スクラップなどから金・銀・プラチナ等の貴金属を回収・精製し、電子材料や地金として販売。また、産業廃棄物の収集・運搬・処理も手掛けています。
食品関連事業:水産品(すり身、魚介類)、農産品(冷凍・乾燥野菜)、畜産品(肉・卵)などの食品素材を国内外から調達・卸売。

本社は東京都新宿区、従業員数は1,657人(平均年齢39.6歳、平均年収628万円)です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション:貴金属リサイクル分野で高いシェアを有し、特に電子部品スクラップからの回収・精製技術で強みを持っています。食品素材卸売分野でも一定のプレゼンスがあります。
  • 競争優位性:回収・精製技術力、安定した調達・販売ネットワーク、環境対応力が競争優位性。
  • 課題:貴金属価格の変動リスク、食品分野での原材料価格高騰や調達難、環境規制強化への対応。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン:「資源循環型社会の実現」と「食の安全・安心の提供」。
  • 中期経営計画
    • 貴金属リサイクルの取扱量拡大、精製技術の高度化、海外展開の強化。
    • 食品事業では、水産品の販売拡大と在庫回転率の向上、サプライチェーンの最適化。
    • M&Aによる事業基盤強化(2025年1月に山陽レック等の子会社化を決定)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:貴金属リサイクルによる安定収益と、食品素材卸売の複合収益構造。貴金属価格の影響は受けるものの、複数事業の組み合わせでリスク分散。
  • 市場変化への適応力:環境意識の高まりや資源循環ニーズの増加に対応。食品分野も消費者ニーズの変化に合わせて柔軟に商品構成を調整。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向:電子部品スクラップからの高効率な貴金属回収・精製技術を持つ。環境負荷低減やリサイクル効率向上のための技術開発を継続。
  • 主力製品・サービス:貴金属地金・電子材料、産業廃棄物処理サービス、水産・農産・畜産素材の卸売。

6. 株価の評価

  • PER(予想):10.84倍(業界平均12.1倍よりやや割安)
  • PBR(実績):0.96倍(業界平均1.0倍と同水準)
  • EPS(予想):337.61円
  • BPS(実績):3,807.13円
  • 株価:3,660円(2025/4/25終値)
  • 理論株価比較:PBR・PERともに業界平均と比較して割安感がやや見られます。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:3,835円、年初来安値:2,710円
  • 直近株価推移:4月中旬以降に急上昇し高値圏で推移。直近はやや調整局面。
  • 移動平均線:50日平均3,371.92円、200日平均3,152.82円。現在株価は両移動平均を上回る。
  • 直近の値動き:高値圏でのもみ合い傾向。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:360,527百万円(2024/3期)、前年351,028百万円→増加傾向
  • 営業利益:9,356百万円(2024/3期)、前年13,818百万円→減少
  • 純利益:7,286百万円(2024/3期)、前年9,696百万円→減少
  • ROE:8.3%(2024/3期)、直近四半期10.66%→改善傾向
  • ROA:5.25%(直近12か月)
  • 自己資本比率:61.2%→財務健全
  • 営業キャッシュフロー:7,200百万円(過去12か月)
  • 利益率:営業利益率3.62%、純利益率2.29%(直近12か月)
  • 総評:売上は堅調だが、利益はやや減少傾向。ただし直近四半期は増益に転じており、収益性の回復が見られる。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り:2.05%(会社予想)、5年平均2.04%
  • 1株配当:75円(予想)、配当性向16.8%(低水準で安定)
  • 自社株買い:自己株式保有あり(3.68%)
  • 方針:安定配当を基本としつつ、業績に応じた増配や自社株買いも実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム:年初来高値圏で推移。4月中旬以降に急騰後、やや調整。
  • 出来高:直近10日間は平均を上回る水準で推移。
  • 信用倍率:6.09倍(買い残多め、やや強気)
  • 投資家関心:インサイダー保有率が高く、安定株主が多い。機関投資家の保有比率も一定水準。

11. 総評

松田産業は、貴金属リサイクルと食品卸売の二本柱で事業を展開し、安定した財務基盤と高い自己資本比率を有しています。直近では貴金属価格の堅調や取扱量増加を背景に業績が回復傾向にあり、配当も安定しています。株価は業界平均と比較してやや割安で、テクニカル的には高値圏での推移が続いています。今後のM&Aや技術革新、環境規制への対応などが成長のカギとなります。
> ※本レポートは情報の整理・分析を目的としたものであり、投資判断を目的としたものではありません。


企業情報

銘柄コード 7456
企業名 松田産業
URL http://www.matsuda-sangyo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By シャーロット

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