1. 企業情報

概要

日本ヒューム株式会社は、主にヒューム管(コンクリート製パイプ)やコンクリートパイル、プレキャスト製品の製造・販売を行う建設資材メーカーです。下水道向けヒューム管で国内最大手(シェア約2割)であり、基礎事業や下水道関連事業を中心に、太陽光発電・不動産事業も展開しています。1925年設立、太平洋セメント系の企業で、東京都港区に本社を構えています。

事業構成(2024.3)

  • 基礎事業:65%(営業利益率5%)
  • 下水道関連:30%(営業利益率12%)
  • 太陽光発電・不動産:4%(営業利益率54%)
  • その他:0%(営業利益率79%)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 下水道向けヒューム管で国内最大手、シェア約20%
  • コンクリートパイルでも大手
  • プレキャスト製品分野に注力
  • 競争優位性:高い技術力、長年の実績、太平洋セメントグループとしての調達力・販売網
  • 課題:建設業界の人手不足、原材料費高騰、公共投資の変動

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期経営計画(23-27計画R)
    • DX推進(ICT施工管理システムの実証実験)
    • プレキャスト製品の営業強化
    • 社会インフラ老朽化対策へのソリューション提供
    • 設計スペック営業の強化
  • 重点分野
    • 基礎事業・下水道関連事業の拡大
    • 新工法(CP-X工法等)の技術開発
    • 3Dプリンター活用による生産性向上

4. 事業モデルの持続可能性

  • 主力のヒューム管、コンクリートパイルはインフラ整備・老朽化対策で安定した需要
  • プレキャスト製品は省力化・工期短縮ニーズに対応
  • 太陽光発電・不動産はポートフォリオの多様化に寄与
  • 市場環境変化(公共投資、原材料費、人手不足)への適応が課題

5. 技術革新と主力製品

  • 3Dプリンターによるプレキャスト擁壁の製造・納入を開始
  • 新工法「CP-X工法」の技術評定取得
  • 光ファイバー対応製品、抗菌コンクリート製品など高付加価値化を推進
  • プレキャスト製品が収益拡大を牽引

6. 株価の評価

  • 株価:1,829円(2025/4/28終値)
  • EPS(会社予想):110.60円
  • PER(会社予想):16.54倍(業界平均18.3倍よりやや割安)
  • BPS(実績):1,823.69円
  • PBR(実績):1.00倍(業界平均1.4倍より割安)
  • 配当利回り(会社予想):2.08%
  • 株価水準:BPSとほぼ同水準、PERも業界平均を下回る

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:2,185円 年初来安値:1,284円
  • 直近株価:1,829円(50日移動平均1,866.90円、200日移動平均1,438.85円)
  • 直近10日間の推移:1,735~1,849円のレンジで推移、やや調整局面
  • モメンタム:高値圏からやや下落傾向、直近は横ばい~小幅反発

8. 財務諸表分析

  • 売上高:38,313百万円(過去12か月、前年同期比増加傾向)
  • 営業利益:2,562百万円(過去12か月、前年同期比増加)
  • 純利益:2,845百万円(過去12か月、前年同期比増加)
  • ROE:4.84%(実績)、過去12か月は8.94%(改善傾向)
  • ROA:2.75%(過去12か月)
  • 自己資本比率:66.3%(高水準、財務健全)
  • キャッシュフロー:現金13,980百万円、総資産比で潤沢
  • 利益率:営業利益率5.69%、純利益率9.66%(改善傾向)
  • 成長性:売上・利益ともにここ数年は増加傾向、2025年3月期第3四半期は大幅増益

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績:2024年3月期44円、2025年3月期予想38円
  • 配当性向:36.64%(安定的な水準)
  • 配当利回り:2.08%(5年平均2.68%)
  • 自社株買い:自己株式保有比率15.23%、株主還元策として機動的な自社株買いを実施
  • 株主優待:優待制度拡充(ポイント増額等)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週変動:安値1,284円→高値2,185円、直近はやや調整局面
  • 信用取引:信用買残増加(+5,200株)、信用倍率3.89倍(やや買い長)
  • 出来高:直近10日平均13.8万株、流動性良好
  • 投資家構成:インサイダー32.73%、機関投資家12.08%
  • 直近の材料:第3四半期決算で大幅増益、株主優待拡充、技術開発進展

11. 総評

日本ヒュームは、下水道向けヒューム管で国内最大手の地位を持ち、プレキャスト製品やコンクリートパイル分野でも高い競争力を有しています。2025年3月期第3四半期は、基礎事業・下水道関連事業の増収増益により、業績が大幅に改善。財務基盤も自己資本比率が高く、キャッシュも潤沢です。株価はBPSとほぼ同水準、PER・PBRともに業界平均を下回る水準です。配当利回りは2%台と安定的で、株主優待や自社株買いも実施しています。今後の課題は原材料費や人手不足への対応ですが、インフラ老朽化対策や新技術開発による事業拡大が期待される状況です。


企業情報

銘柄コード 5262
企業名 日本ヒューム
URL http://www.nipponhume.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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By シャーロット

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