1. 企業情報
扶桑薬品工業は、人工腎臓透析液で国内トップシェアを誇る製薬会社です。血液用薬や医療機器、後発医薬品も手掛けています。事業は医薬品に特化しており、不動産賃貸も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: 人工腎臓透析剤で高い国内シェアを有し、安定した収益基盤を築いています。
- 課題: 薬価制度改革や後発医薬品の使用促進策など、医薬品業界特有の環境変化に対応する必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細な情報は開示されていませんが、決算短信からは、腎・透析関連製品の販売促進、後発医薬品の拡充、製造販売の強化などが伺えます。
- 中期経営計画: 2025年3月期の決算短信によると、売上高600億円、営業利益40億円、当期純利益26億円を目標としています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 主力製品である人工腎臓透析剤は、高齢化社会において安定した需要が見込めます。後発医薬品や製造受託事業も、収益の多様化に貢献しています。
- 市場ニーズへの適応力: 腎・透析関連の後発医薬品の販売促進、Dimerix社とのライセンス契約締結など、市場ニーズへの対応が見られます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: FSGS（巣状分節性糸球体硬化症）治療薬候補化合物に関するDimerix社とのライセンス契約を締結するなど、新薬開発にも取り組んでいます。
- 主力製品: 人工腎臓透析剤、血液用薬、後発医薬品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 7.94倍（業界平均27.8）
- PBR（実績）: 0.53倍（業界平均1.4）
- EPS（会社予想）: 304.34円
- BPS（実績）: 4,532.25円
現在の株価2,417円は、PER、PBRともに業界平均と比較して割安な水準です。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は2,215円から2,417円の間を推移しており、上昇傾向にあります。50日移動平均線（2,413.62円）を上回っており、高値圏にあると判断できます。
- 52週高値/安値: 年初来高値2,641円、年初来安値2,028円。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月の売上高は554億600万円で、前期比8.6%増。
- 営業利益: 過去12ヶ月の営業利益は19億6400万円で、前期比11.1%減。
- 当期純利益: 過去12ヶ月の当期純利益は13億7700万円で、前期比14.2%減。
- ROE（実績）: 3.81%
- ROA（実績）: 3.58%
- 自己資本比率（実績）: 48.4%
売上高は増加傾向にあるものの、利益率は低下傾向にあります。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.39%
- 1株配当（会社予想）: 82.00円
- 配当性向: 29.12%
- 株主還元策: 配当による還元を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間で株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
- 株価への影響要因: 腎・透析関連製品の販売動向、新薬開発の進捗、業績予想の達成状況などが株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
扶桑薬品工業は、人工腎臓透析剤で高いシェアを持つ安定企業です。株価は割安な水準にあり、配当利回りも魅力的です。直近の業績は増収増益で、今後の成長も期待できます。ただし、利益率の改善や、新薬開発の進捗など、今後の課題にも注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4538 |
| 企業名 | 扶桑薬品工業 |
| URL | https://www.fuso-pharm.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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