1. 企業情報

概要

バンドー化学株式会社は、伝動ベルトを中心としたゴム製品メーカーです。自動車用伝動ベルトで国内トップクラスのシェアを持ち、産業用ベルトや高機能エラストマー製品も展開しています。近年はOA機器用精密部品や医療関連分野にも注力し、グローバルに事業を展開しています。設立は1937年、本社は神戸市中央区に所在。従業員数は4,023名、平均年収は677万円です。

主な事業内容(連結売上構成)

  • 自動車部品:49%
  • 産業資材:34%
  • 高機能エラストマー製品:13%
  • その他:4%
  • 海外売上比率:58%(2024年3月期)

2. 業界のポジションと市場シェア

競争優位性

  • 自動車用伝動ベルトの国産化を先駆けており、国内で高いシェアを保持。
  • 海外展開も積極的で、売上の半分以上が海外市場から。
  • 産業用ベルトや高機能エラストマー製品でも一定の存在感。

課題

  • 自動車生産台数の減少やEVシフトによる伝動ベルト需要の構造変化。
  • 米国子会社の生産終了等、海外事業の再編リスク。
  • 競合他社との価格競争や技術革新への対応力が求められる。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣のビジョン・戦略

  • コア事業である伝動ベルトのグローバル展開強化。
  • 高機能エラストマー製品や医療・電子分野など新規分野への進出。
  • 収益力強化と財務基盤の安定化。

中期経営計画の具体策

  • 産業資材・高機能分野の拡大。
  • 研究開発投資による新製品・新技術の創出。
  • ESG・サステナビリティへの対応強化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 主力の伝動ベルトは自動車・産業機械双方に需要があり、一定の安定性。
  • EV化や自動化など市場ニーズの変化に対し、医療・電子・高機能材料分野への多角化でリスク分散。
  • 高い自己資本比率(67.8%)と低い負債比率で財務の健全性を維持。

5. 技術革新と主力製品

  • 伝動ベルトの高耐久・高効率化技術に強み。
  • 高機能エラストマー製品(クリーニングブレード、精密ベルト、医療・電子用フィルム等)の開発・拡販を推進。
  • 新素材や精密加工技術を活かした新分野(医療・電子材料)への展開。

6. 株価の評価

  • 株価:1,497円
  • EPS(会社予想):117.58円
  • BPS(実績):2,088.78円
  • PER(会社予想):12.73倍(業界平均10.3倍よりやや高い)
  • PBR(実績):0.72倍(業界平均0.9倍より低い)
  • 配当利回り(予想):5.08%

評価

  • 株価はBPS比で割安感がある一方、PERは業界平均よりやや高め。
  • 配当利回りは業界平均を上回る水準。

7. テクニカル分析

  • 直近株価は1,497円で、年初来高値(1,930円)からは下落、安値(1,317円)よりは上。
  • 50日移動平均(1,636.5円)、200日移動平均(1,770.21円)を下回っており、下落トレンド圏。
  • 直近10日間は1,450円台~1,500円台でのもみ合い。

8. 財務諸表分析

売上・利益の推移(過去4年)

  • 売上高:81,371百万円(2021年)→108,278百万円(2024年)と増加傾向
  • 営業利益:4,856百万円(2021年)→6,305百万円(2024年)と増加
  • 当期純利益:3,943百万円(2021年)→6,180百万円(2024年)と増加

収益性・効率性

  • ROE:7.59%、ROA:3.28%
  • 営業利益率:2.24%、純利益率:4.73%
  • 営業キャッシュフロー:13,680百万円(2024年3月期)

財務安全性

  • 自己資本比率:67.8%
  • 有利子負債比率:8.22%
  • 流動比率:2.03

9. 株主還元と配当方針

  • 年間配当予想:76円/株(配当性向約59.7%)
  • 配当利回り:5.08%(5年平均4.08%を上回る)
  • 自己株式保有あり(3.44%)、自社株買い実施歴あり
  • 安定した配当政策を継続

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近1年で株価は下落傾向(52週変動:-16.23%)
  • 出来高は安定、信用倍率は高水準(買い残多め)
  • 配当利回りの高さやPBRの低さから、バリュー投資家の関心が集まりやすい状況

11. 総評

バンドー化学は、自動車・産業機械向け伝動ベルトで高いシェアを持ち、安定した財務基盤とグローバル展開が特徴です。近年は高機能エラストマーや医療・電子分野への多角化を進めており、収益構造の変化にも対応しています。株価はPBRで割安感があり、配当利回りも高水準を維持していますが、業績成長の鈍化や海外事業の再編リスク、産業構造の変化への対応が今後の課題となります。全体としては、安定した財務と株主還元姿勢が目立つ一方、成長ドライバーの明確化が今後の注目点です。


企業情報

銘柄コード 5195
企業名 バンドー化学
URL http://www.bando.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – ゴム製品

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By シャーロット

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