1. 企業情報
富士ピー・エスは、プレストレストコンクリート（PC）工法を主力とする建設会社です。主な事業は、橋梁、道路、高架橋などの土木構造物の設計・施工、およびPC建築物の設計・施工です。官公庁向けの工事を多く手掛けており、PC枕木分野にも強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
PC工法分野では大手の一角を占めています。公共事業への依存度が高く、インフラ投資の動向に業績が左右されやすい傾向があります。競争優位性としては、PC工法における技術力と実績が挙げられます。課題としては、建設業界全体が抱える人手不足や、資材価格の高騰などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
第5次中期経営計画「VISION2030」に基づき、土木事業における大型工事の確保、建築事業の拡大、不動産賃貸事業の安定化を目指しています。具体的には、関西・中部地区でのマンション事業への注力、安定した入居率の確保などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
公共事業への依存度が高いことから、国のインフラ投資の動向が業績に大きく影響します。近年では、建設コストの上昇が利益を圧迫する要因となっています。市場ニーズの変化への対応としては、耐震補強工事やPC枕木など、既存技術を活かした分野への展開が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
PC工法に関する高い技術力を有しており、橋梁や高架橋などのインフラ整備に貢献しています。主力製品は、橋梁、道路、PC建築物などです。
6. 株価の評価
- 株価: 439円（2025年4月30日時点）
- PER（会社予想）: 4.05倍（業界平均11.3倍と比較して割安）
- PBR（実績）: 0.75倍（業界平均0.7倍と同程度）
- EPS（会社予想）: 108.31円
- BPS（実績）: 585.56円
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、425円から439円の間を推移しており、緩やかな上昇傾向にあります。年初来高値は464円、年初来安値は383円です。50日移動平均線は425.94円、200日移動平均線は419.16円であり、株価は両移動平均線を上回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で285.66億円。2024年3月期は268.43億円、2023年3月期は273.01億円と、近年は260億円台で推移しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で5.64億円。2023年3月期は2.21億円、2022年3月期は10.49億円と、変動が見られます。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で4.15億円。2023年3月期は1.23億円、2022年3月期は7.75億円と、こちらも変動があります。
- ROE（実績）: 4.08%
- ROA（過去12か月）: 1.49%
- 自己資本比率（実績）: 30.9%
売上高は安定していますが、利益は変動しやすい傾向にあります。ROE、ROAは低水準です。自己資本比率は30%を超えており、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.05%
- 1株配当（会社予想）: 9.00円
- 配当性向: 37.22%
配当利回りは2%台であり、まずまずの水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は緩やかな上昇傾向にあり、モメンタムは弱めです。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高まっている可能性があります。
11. 総評
富士ピー・エスは、PC工法を強みとする建設会社であり、PERは割安感があります。しかし、公共事業への依存度が高く、業績はインフラ投資の動向に左右されやすい点に注意が必要です。財務状況は安定していますが、利益の変動幅が大きい点が懸念材料です。今後の株価は、中期経営計画の進捗、建設コストの動向、インフラ投資の動向などを注視していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1848 |
| 企業名 | 富士ピー・エス |
| URL | http://www.fujips.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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