1. 企業情報
ニチコンは、コンデンサ（電気製品の電子回路に用いられる部品）を主力製品とするメーカーです。アルミ電解コンデンサで世界有数のシェアを誇ります。近年は、電気自動車（EV）や家庭用蓄電システムなど、成長分野への注力も進めています。事業はコンデンサ事業とNECST事業（電源、エネルギー関連製品）に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ニチコンは、コンデンサ業界において高い競争力を持っています。特にアルミ電解コンデンサ分野での強みは顕著です。EVや再生可能エネルギー関連市場の拡大に伴い、同社の製品需要も増加傾向にあります。
課題:
- 原材料価格の変動リスク
- 競合他社との価格競争
- 特定の市場セグメントへの依存度
3. 経営戦略と重点分野
ニチコンは、EV関連、家庭用蓄電システム、産業用電源などの成長分野に注力しています。
中期経営計画の重点分野:
- 車載用コンデンサの拡充
- 家庭用蓄電システム、EV関連機器の販売強化
- 新技術・新製品の開発
4. 事業モデルの持続可能性
ニチコンの収益モデルは、コンデンサの製造・販売が中心です。EV、再生可能エネルギー、IoTなど、市場ニーズの変化に対応することで、事業の持続可能性を高めています。
市場ニーズへの適応力:
- EV関連市場への積極的な参入
- 省エネルギー・環境対応製品の開発
- 顧客ニーズに合わせた製品ラインナップの拡充
5. 技術革新と主力製品
ニチコンは、コンデンサ技術を基盤に、様々な製品を展開しています。
主力製品:
- アルミ電解コンデンサ
- フィルムコンデンサ
- EV/PHV用急速充電器
- 家庭用蓄電システム
技術開発の動向:
- 高信頼性・高耐久性コンデンサの開発
- 小型・軽量化技術
- EV/PHV向け充電技術
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 1,157.0円 |
| PER（会社予想） | 12.99倍 |
| PBR（実績） | 0.69倍 |
| EPS（会社予想） | 89.16円 |
| BPS（実績） | 1,678.09円 |
| 業界平均PER | 24.2 |
| 業界平均PBR | 1.6 |
評価:
- PERは業界平均よりも低く、割安感があります。
- PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
- EPS、BPSから見ても、現在の株価は割安と評価できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、4月22日に1082円まで下落した後、緩やかな上昇傾向にあります。50日移動平均線（1204.80円）と200日移動平均線（1082.60円）を上回っており、中期的な上昇トレンドを示唆しています。年初来高値（1,335円）からは下落していますが、底堅さも見られます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は181,643百万円。前期比で若干の減少。
利益:
- 営業利益は8,904百万円。
- 当期純利益は8,253百万円。
- 直近の四半期決算（2025年3月期第3四半期）では、売上高、利益ともに減少。
その他の指標:
- ROEは7.87%
- ROAは1.42%
- 自己資本比率は53.6%と財務体質は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.02%
- 1株配当（会社予想）: 35.00円
- 配当性向: 31.53%
- 自社株買いの実施: なし
ニチコンは、安定的な配当を重視する方針です。配当利回りも3%を超えており、株主還元にも積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇と下落を繰り返しながらも、底堅さを見せています。信用買い残は減少傾向にあり、売り圧力は弱まっています。
株価への影響要因:
- 世界経済の動向（特に中国経済）
- EV市場の成長
- 原材料価格の変動
- 円相場の変動
11. 総評
ニチコンは、コンデンサ市場で高い競争力を持つ企業です。EV関連、蓄電システムなど、成長分野への投資も積極的に行っており、今後の成長が期待できます。
現在の株価は、割安感があり、配当利回りも魅力的です。
ただし、直近の業績は、減収減益となっており、今後の市場環境や競合との競争激化には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6996 |
| 企業名 | ニチコン |
| URL | http://www.nichicon.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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