1. 企業情報
日東工業（6651）は、電設資材の配電盤・キャビネットの大手企業です。制御盤も手掛けており、製販一貫体制を強みとしています。近年は情報通信関連分野に注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日東工業は、電設資材のキャビネット分野でトップクラスのシェアを誇り、配電盤分野でも大手です。業界内での競争優位性は、製販一貫体制による高品質な製品供給と、情報通信関連分野への注力による成長性への期待にあります。課題としては、原材料価格の高騰や、競合他社との価格競争などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
日東工業は、「2026中期経営計画」を策定し、事業拡大への挑戦、積極的な成長投資、盤石な事業・経営基盤の構築を推進しています。重点分野は、情報通信関連分野への注力、海外展開の強化、新製品の開発などです。
4. 事業モデルの持続可能性
日東工業の事業モデルは、電設資材というインフラ関連製品を製造・販売することであり、安定した需要が見込めます。市場ニーズの変化への適応としては、情報通信関連分野への注力や、省エネ・環境対応製品の開発などが挙げられます。
5. 技術革新と主力製品
日東工業は、技術開発を通じて、高品質な製品を提供しています。主力製品は、電設資材の配電盤・キャビネット、制御盤などです。これらの製品は、電気・情報インフラの構築に不可欠であり、安定した収益を支えています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 11.37倍
- PBR（実績）: 1.03倍
- EPS（会社予想）: 263.62円
- 現在の株価2,998円は、予想EPSから計算するとPERは約11.37倍となり、同業他社の平均PER24.2と比較すると割安感があります。PBRも1.03倍と、割安圏にあると言えます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月17日には2,866円まで下落しましたが、その後は2,900円台後半から3,000円近辺で推移しています。5月1日の終値は2,998円で、年初来高値3,480円からは下落していますが、200日移動平均線3,019.59円に近づいており、底堅さも見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期には1607億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 2024年3月期は119.67億円と、前期比で増加しています。
- ROE（実績）: 8.31%
- 自己資本比率（実績）: 67.1%
- 過去のデータと比較すると、売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性が向上しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.40%
- 1株配当（会社予想）: 132.00円
- 配当性向は75.75%
- 高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2,900円台後半から3,000円近辺で推移しており、大きな変動は見られません。信用取引の状況は、買い残が53,700株、売り残が99,700株であり、売り残が買い残を上回る状況です。これは、今後の株価下落を予想する投資家がいることを示唆しています。
11. 総評
日東工業は、電設資材分野で高い競争力を持つ企業であり、財務体質も良好です。高い配当利回りも魅力です。
2026中期経営計画に基づき、事業拡大を目指しており、今後の成長も期待できます。
テクニカル面では、株価は年初来高値からは下落していますが、底堅さも見られます。
総合的に見て、中長期的な投資対象として検討する価値があると考えられます。
ただし、今後の業績動向や、競合他社との競争状況、原材料価格の変動など、注視すべき点も多くあります。
企業情報
| 銘柄コード | 6651 |
| 企業名 | 日東工業 |
| URL | http://www.nito.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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