1. 企業情報
- 企業名：日本ハウスホールディングス
- 事業内容：
- 主力は在来型注文住宅の設計・施工・販売（住宅事業が売上の約86%を占める）。
- マンション開発・販売、土地販売、リフォームやメンテナンス事業も展開。
- ホテル・レストラン運営や、子会社による木材加工、太陽光発電による電力販売も実施。
- 沿革：1950年設立、2015年に現社名へ変更。岩手県発祥で全国展開。
- 従業員数：968人（平均年齢40.3歳、平均年収529万円）
- 所在地：東京都千代田区飯田橋
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
- 在来型注文住宅の大手。全国展開し、マンションやホテル事業にも進出。
- 住宅業界全体では大手ハウスメーカー（積水ハウス、住友林業など）と比較し中堅規模。
- 競争優位性・課題：
- 木材加工の内製化や「檜の家」など独自ブランドで差別化。
- 住宅着工戸数の減少や人口減少、競争激化が課題。
- ホテル事業はインバウンド回復で追い風も、収益性は低い。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略：
- 「スマートオーダーメイド 新・美しき檜の家」など独自ブランド強化。
- 住宅事業の収益基盤拡大と、ホテル事業の集客強化。
- 中期経営計画：
- 具体的な数値目標や進捗状況は未記載。
- ホテル事業ではSNS活用やインバウンド需要取り込み、会員権事業強化など多角化を推進。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
- 住宅販売が主力だが、リフォームやメンテナンス、ホテル運営、太陽光発電など複数事業を展開。
- 市場ニーズへの適応力：
- 住宅着工減少への対応として、リフォーム・ホテル・新規事業への多角化を進めている。
- 住宅事業のブランド強化や、インバウンド需要の取り込みなど外部環境変化に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性：
- 「檜の家」など国産木材利用や、木材加工の内製化による品質・コスト競争力。
- 住宅のスマート化や省エネ技術にも注力。
- 主力製品・サービス：
- 注文住宅（檜の家シリーズ）、マンション、リフォーム、ホテル事業。
6. 株価の評価
- 指標比較：
- 株価：322円
- 予想PER：12.27倍（業界平均14.0倍より低い）
- 実績PBR：0.59倍（業界平均1.1倍より低い）
- 予想EPS：26.25円
- 実績BPS：543.17円
- バリュエーション：
- PBR・PERともに業界平均より割安な水準。
- 株価/BPSは約0.59倍と、純資産価値に対しても低水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移：
- 年初来高値：360円、年初来安値：297円
- 直近終値：322円（年初来安値圏に近い水準）
- 50日移動平均：334.28円、200日移動平均：333.80円（現株価は移動平均線を下回る）
- 直近10日間で下落傾向が継続
- 信用動向：
- 信用倍率0.08倍（売り長）、信用売残が多い
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移：
- 売上高は過去数年でやや減少傾向（2022年42,778百万円→2024年39,103百万円→最新12か月38,758百万円）
- 営業利益は2022年2,524百万円→2023年973百万円→最新12か月1,552百万円と回復傾向
- 純利益は2022年1,474百万円→2023年-47百万円→最新12か月734百万円
- キャッシュフロー：
- 営業キャッシュフローは過去12か月で-2,810百万円とマイナス
- 財務安全性：
- 自己資本比率48.3～51.7%と健全
- 総資産420億円、現預金56.4億円、総負債107.9億円（Debt/Equity 48.89%）
- 流動比率0.90とやや低め
- 収益性：
- 営業利益率2.63%、純利益率1.89%（低水準）
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想：
- 2024年4月期：年間5円（期末のみ）
- 2025年4月期予想：年間11円（中間5円、期末6円）
- 予想配当利回り：3.42%（業界平均と比較し標準的～やや高め）
- 配当性向：54.56%
- 自社株買い等：特記事項なし
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向：
- 直近10日間は下落傾向、年初来安値圏
- 信用売残が多く、売り圧力が強い状況
- 投資家関心：
- 出来高は増加傾向
- インサイダー保有16.18%、機関投資家保有19.39%
- 業績回復・配当増加が注目材料
11. 総評
日本ハウスホールディングスは、在来型注文住宅を主力としつつ、マンションやホテル事業など多角化を進める中堅ハウスメーカーです。住宅着工減少など業界構造的な逆風がある一方、ブランド力や木材加工の内製化、インバウンド需要取り込みなどで収益基盤の強化を図っています。
財務面では自己資本比率が高く健全ですが、営業キャッシュフローのマイナスや利益率の低さが課題です。株価指標はPER・PBRともに業界平均を下回り、割安感が見られます。配当利回りも3%台と一定の水準を維持しています。
直近の株価は年初来安値圏で推移し、信用売残が多いことから売り圧力が強い状況です。今後は住宅需要の回復やホテル事業の収益改善、中期経営計画の進捗が注目点となります。
（本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を勧誘するものではありません。）
企業情報
| 銘柄コード | 1873 |
| 企業名 | 日本ハウスホールディングス |
| URL | http://www.nihonhouse-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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