1. 企業情報
- 企業名: 株式会社アバントグループ
- 設立: 1997年5月26日
- 所在地: 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
- 代表者: 森川 徹治
- 従業員数: 1,567名
- 平均年齢・年収: 44.6歳、9,640千円
- 事業内容: アバントグループは、連結会計ソフトウェア「ディーバ」などを中心に、会計・経営管理・DX推進・アウトソーシングサービスを提供。主力は連結決算開示、DX推進、経営管理ソリューションの3事業。IFRS対応や経営情報管理、経営の高度化支援などのコンサルティングも展開。グループ経営管理や財務情報の一元化ニーズに応えるソリューションを持つ。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 連結会計システム「ディーバ」は国内トップクラスのシェア。大手企業のグループ経営管理・会計分野で高い認知度を持つ。
- 競争優位性: 長年の実績・導入ノウハウ、ソフトウェアの独自性、アウトソーシングやDX支援の拡大で競争力を維持。クラウド対応やデータ活用の高度化ニーズに応じたサービス展開が進む。
- 課題: 市場全体のDX化進展により競争は激化。大手SIerやグローバルベンダーとの競合、価格競争、クラウド型サービスへの対応強化が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「企業価値の向上に役立つソフトウェア会社」を目指し、ソフトウェアビジネスの強化・収益構造の転換を推進。
- 中期経営計画（2028年6月期まで）:
- ソフトウェアビジネスの強化
- DX推進事業の拡大
- 収益性の向上とアウトソーシングビジネスの成長
- クラウド・データ・プラットフォーム構築案件の拡大
- 重点分野:
- 連結決算開示事業のアウトソーシング拡大
- DX推進事業のクラウド案件増加
- 経営管理ソリューションのソフトウェア中心の収益構造転換
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ソフトウェアライセンス販売、導入・保守サービス、アウトソーシング、コンサルティングの複合収益モデル。ストック型収益の拡大を志向。
- 市場ニーズへの適応力: グループ経営管理やDX化、クラウド移行など企業の経営高度化ニーズに対応。IFRS対応や経営情報の可視化需要の高まりで中長期的な市場拡大が見込まれる。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 連結会計システム「ディーバ」の機能強化、クラウド化、他社との協業（Fluence Technologiesとの次世代金融情報管理ソリューション開発）。
- 主力製品・サービス:
- 連結会計システム「ディーバ」
- 経営情報管理ソフト「アバント」
- DX推進のためのクラウド・データ・プラットフォーム構築サービス
- 独自性: 国内大手企業向けの導入実績、会計・経営管理分野に特化したノウハウ、アウトソーシングサービスの成長
6. 株価の評価
- 株価: 1,594円（2025/5/2終値）
- EPS（会社予想）: 91.84円
- BPS（実績）: 398.16円
- PER（会社予想）: 17.36倍（業界平均23.2倍より低い）
- PBR（実績）: 4.00倍（業界平均2.3倍より高い）
- 株価と指標の比較:
- 現在のPERは業界平均より割安水準、PBRはやや高め。
- ROE（22.25%）は高水準で、資本効率が良い。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 2,068円、年初来安値: 1,508円
- 直近10日間で急落傾向（4/30: 1,785円 → 5/2: 1,594円）
- 50日移動平均: 1,781.86円、200日移動平均: 1,906.14円
- 現在値は移動平均線を大きく下回り、安値圏に位置
- 信用取引動向:
- 信用買残増加、信用倍率高い（51.63倍）＝買い残が多く、需給面で調整圧力も
8. 財務諸表分析
- 売上・利益成長:
- 売上高（過去12か月）: 24,419百万円 → 21,424百万円（2023）→ 18,703百万円（2022）→ 16,236百万円（2021）
- 営業利益: 4,099百万円（2024）→ 3,289百万円（2023）→ 3,247百万円（2022）
- 純利益: 2,850百万円（2024）→ 2,094百万円（2023）→ 2,045百万円（2022）
- 売上・利益ともに年々増加傾向
- キャッシュフロー:
- 営業CFは安定してプラス
- 投資・財務CFも健全な水準
- ROE・ROA:
- ROE: 22.25%、ROA: 14.41%（高水準）
- 自己資本比率:
- 2025年3Q: 68.0%（前年同期60.7%）と財務健全性が高い
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.57%（会社予想）
- 1株配当: 25.00円（会社予想）
- 配当性向: 21.70%（適度な水準）
- 自社株買い: 自己株式保有あり（1.57%）
- 配当方針: 安定配当を基本としつつ、業績に応じた増配も実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動:
- 4月下旬から5月初旬にかけて大幅下落
- 直近出来高増加、短期的には売り圧力が強い状況
- 需給要因:
- 信用買い残が多く、需給悪化の懸念
- インサイダー保有比率高め（42.38%）
- 投資家関心:
- 直近の下落で短期的な注目度上昇
11. 総評
アバントグループは、連結会計・経営管理ソフトウェア分野で国内トップクラスのシェアを持ち、DX推進やアウトソーシング事業も拡大中です。業績は安定成長を続けており、財務健全性・資本効率ともに高い水準です。株価指標ではPERが業界平均より低く、ROEの高さが目立ちますが、直近は株価が大きく下落し、需給面でやや調整局面にあります。今後は中期経営計画で掲げるソフトウェアビジネスの強化やDX案件の拡大が成長ドライバーとなる見通しです。
> ※本レポートは情報の整理を目的としており、投資判断を行うものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 3836 |
| 企業名 | アバントグループ |
| URL | https://www.avantgroup.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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