1. 企業情報
- 企業名: イオンディライト株式会社
- 設立: 1972年11月16日
- 所在地: 東京都千代田区神田錦町1-1-1
- 従業員数: 22,906人
- 事業内容: イオンディライトは、商業施設やオフィスビルを中心に、設備管理・警備・清掃・建設施工・資材提供・自動販売機・サポート事業など、総合的なファシリティマネジメント（FM）サービスを展開しています。国内外（中国・ASEAN地域含む）で事業を展開し、イオングループ向けのサービス提供が売上の約6割を占めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 国内FM（ファシリティマネジメント）業界の最大手。商業施設向けFM市場で首位。
- 競争優位性: イオングループとの強固な取引関係を背景に、安定した受注基盤を有しています。また、病院や介護施設など新規領域への進出も進めています。
- 課題: イオングループへの依存度が高く（売上の約6割）、グループ外でのシェア拡大が中長期的な課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「新たな施設管理モデルへの転換」や「FMコンサルティング機能の強化」など、環境変化や人手不足への対応を重視。
- 中期経営計画: 2025年2月期～2027年2月期の3ヵ年計画で、デジタル技術活用や人材育成、業務効率化、グループ外顧客の拡大を重点施策としています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 継続的な施設管理契約による安定収益が特徴。多様なサービスラインナップでクロスセルも可能。
- 市場ニーズへの適応力: 人手不足やデジタル化、感染症対策など社会課題に対応した新サービス開発を進めており、環境変化への適応力も高いとみられます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: IoTやAIを活用した設備管理の効率化、感染症対策のための新清掃基準導入など、技術革新を積極的に推進。
- 主力サービス: 設備管理、警備、清掃、建設施工が主力。感染症対策や省人化ニーズに対応した新サービスも収益に寄与。
6. 株価の評価
- PBR（実績）: 2.35倍（業界平均1.8倍より高い）
- BPS（実績）: 2,284.02円
- 株価: 5,370円
- PER: 業績予想未開示のため算出不可（参考：直近EPS 239.29円 → 実績ベースPER約22.4倍）
- 業界平均との比較: PBR・PERともに業界平均より高い水準。成長性・収益性への評価が反映されている可能性。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 5,520円
- 年初来安値: 3,950円
- 直近株価水準: 5,370円（高値圏に位置）
- 移動平均線:
- 50日: 5,253円
- 200日: 4,439.7円
→ いずれも上回っており、上昇トレンドが継続中。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
- 2021年2月期: 300,085百万円
- 2022年2月期: 317,657百万円
- 2023年2月期: 303,776百万円
- 2024年2月期: 324,820百万円
- 2025年2月期: 337,929百万円（増収傾向）
- 営業利益:
- 2021年: 15,230百万円
- 2022年: 15,734百万円
- 2023年: 15,814百万円
- 2024年: 15,236百万円
- 2025年: 16,429百万円（過去最高益）
- 純利益:
- 2021年: 11,680百万円
- 2022年: 10,665百万円
- 2023年: 10,152百万円
- 2024年: 10,707百万円
- 2025年: 11,524百万円（増益傾向）
- ROE: 10.85%（安定的に高水準）
- 自己資本比率: 64.3%（財務健全性高い）
- キャッシュフロー: 営業CFは安定、投資・財務CFはマイナスで内部留保を重視。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:
- 2024年2月期: 86円
- 2025年2月期: 87円
- 直近配当利回り: 約1.62%
- 配当性向: 36.38%（安定的な水準）
- 自社株買い: 自己株式保有あり
- 今後の配当方針: 上場廃止予定のため未定
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近は5,300円台で高値圏を維持し、出来高も安定。年初来で約44%上昇。
- 要因: イオンによるTOB（公開買付け）発表を受けて、株価はTOB価格近辺で推移。今後の株価はTOB手続き・上場廃止に大きく左右される見通し。
11. 総評
イオンディライトは、国内FM業界の最大手として安定した収益基盤と高い財務健全性を持ち、近年は増収増益を継続しています。イオングループへの依存度が高い一方で、グループ外への展開や新サービス開発にも注力しています。株価はTOB発表を受けて高値圏で推移しており、今後は公開買付けおよび上場廃止の動向が主な関心事項となります。財務・収益性・株主還元いずれも安定的ですが、今後の投資判断にはTOB・上場廃止スケジュールに留意する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9787 |
| 企業名 | イオンディライト |
| URL | http://www.aeondelight.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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