1. 企業情報
日東富士製粉は、三菱商事系の製粉準大手企業です。小麦粉やふすまなどの製粉製品を製造・販売しており、パン、パスタ、麺類向けの小麦粉、業務用混合粉、冷凍生地なども提供しています。また、「ケンタッキーフライドチキン」などの外食フランチャイズ（FC）事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
製粉業界は寡占化が進んでおり、日東富士製粉は準大手としての地位を確立しています。三菱商事との連携を強みとし、安定した事業基盤を築いています。外食事業も展開しており、製粉事業とのシナジー効果も期待できます。
競争優位性:
- 三菱商事との連携による安定した事業基盤
- 外食事業との多角化
課題:
- 原料価格の変動リスク
- 国内人口減少による需要の伸び悩み
3. 経営戦略と重点分野
日東富士製粉は、2024年度を初年度とする中期経営計画2026を策定し、8つの重要課題（マテリアリティ）を特定し、その解決に向けた事業戦略を推進しています。
中期経営計画の重点分野:
- 製粉事業の競争力強化
- 外食事業の成長
- コスト削減
- 新規事業の創出
4. 事業モデルの持続可能性
日東富士製粉の収益モデルは、製粉事業と外食事業の組み合わせにより、安定した収益基盤を築いています。
持続可能性への適応力:
- 外食事業によるリスク分散
- 新製品開発による需要喚起
- コスト削減による収益性向上
5. 技術革新と主力製品
日東富士製粉は、製粉技術を基盤とし、顧客ニーズに応じた多様な製品を提供しています。
主力製品:
- 小麦粉
- 外食FC（ケンタッキーフライドチキンなど）
6. 株価の評価
| 指標 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| 株価 | 6,670円 | 2025年5月2日終値 |
| PER（会社予想） | 17.35倍 | 業界平均PER: 16.8倍と比較してやや割高。 |
| PBR（実績） | 1.23倍 | 業界平均PBR: 1.2倍と同程度。 |
| EPS（会社予想） | 384.39円 | |
| BPS（実績） | 5,432.60円 | |
| 配当利回り | 4.20% | 魅力的な水準 |
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、6,600円～7,000円のレンジで推移しており、50日移動平均線（6771.40円）と200日移動平均線（6776.30円）を下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期：725.98億円
- 過去数年：増収傾向
利益:
- 営業利益、経常利益、当期純利益は、2024年3月期は前期比で減少。
- 2025年3月期第3四半期決算では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が減益。
その他の指標:
- ROE（実績）：8.91%
- 自己資本比率（実績）：77.2%
- 高い自己資本比率で財務基盤は安定
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）：4.20%
- 1株配当（会社予想）：280.00円
- 配当性向：57.33%
- 安定的な配当を実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は、軟調な推移。
- 信用買残は増加、信用売残は増加。
- 2025年3月期第3四半期決算発表後の株価への影響に注目。
11. 総評
日東富士製粉は、三菱商事との連携を強みとする製粉準大手企業であり、安定した事業基盤と高い自己資本比率が魅力です。配当利回りも高く、株主還元にも積極的です。ただし、2025年3月期第3四半期決算では減益となっており、今後の業績動向に注意が必要です。株価は、テクニカル的には調整局面にあるため、今後の動向を注視し、業績の回復や中期経営計画の進捗状況などを考慮して投資判断を行うことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 2003 |
| 企業名 | 日東富士製粉 |
| URL | http://www.nittofuji.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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