1. 企業情報
チタン工業は、酸化チタンを主力とする化学メーカーです。酸化チタンは、塗料、化粧品、電子写真トナー、UVカットフィルムなど、幅広い用途に使用される白色顔料です。また、リチウムイオン電池向けチタン酸リチウムの開発も行っています。酸化チタンと酸化鉄を主な事業とし、国内だけでなく海外にも事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
チタン工業は、酸化チタン分野で長年の実績を持つ老舗企業です。競争環境としては、大手化学メーカーとの競争に加え、中国を中心とした新興メーカーの台頭も挙げられます。
競争優位性:
- 長年の経験と技術力
- 特定の用途（リチウムイオン電池など）への注力
課題:
- 原材料価格の変動リスク
- 新興メーカーとの価格競争
- 需要変動の影響を受けやすい
3. 経営戦略と重点分野
チタン工業は、第7次中期経営計画（2025年3月期～2027年3月期）に基づき、業績の早期回復と企業価値の向上を目指しています。
重点分野:
- 高機能酸化チタン製品の開発と拡販
- リチウムイオン電池関連事業の強化
- コスト削減と効率化
4. 事業モデルの持続可能性
チタン工業の収益モデルは、酸化チタンなどの化学製品の販売に依存しています。
持続可能性への課題:
- 市場ニーズの変化への対応（環境規制、代替材料など）
- 価格競争の激化
- 技術革新への対応
5. 技術革新と主力製品
チタン工業は、高機能酸化チタンやリチウムイオン電池向けチタン酸リチウムの開発に注力しています。
主力製品:
- 超微粒子酸化チタン（UVカット、トナー外添剤など）
- チタン酸リチウム（リチウムイオン電池用）
- 酸化鉄系顔料
6. 株価の評価
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 775円 |
| PER（会社予想） | 10.00倍 |
| PBR（実績） | 0.46倍 |
| EPS（会社予想） | 77.51円 |
| BPS（実績） | 1,687.79円 |
| 配当利回り | 1.29% |
評価:
- PERは業界平均（15.9）を下回っており、割安感があります。
- PBRは1倍を大きく下回っており、割安と判断できます。
- EPSはプラスですが、前期は赤字です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月21日に急騰した後、下落傾向にあります。5月2日の終値は775円であり、年初来安値（675円）からは上昇していますが、年初来高値（860円）からは下落しています。
50日移動平均線は764.50円、200日移動平均線は828.89円となっており、50日移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は80.7億円、2025年3月期は79.53億円と、減少傾向にあります。
利益:
- 2024年3月期は3.22億円の純利益でしたが、2025年3月期は16.8億円の純損失と、赤字に転落しています。
- 営業利益も赤字です。
キャッシュフロー:
- 詳細なデータが不足しています。
ROE/ROA:
- ROEは-28.80%と、マイナスです。
- ROAは-0.21%と、マイナスです。
自己資本比率:
- 33.5%と、財務基盤はやや脆弱です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.29%
- 1株配当（会社予想）: 10.00円
- 配当性向: 36.95%
- 自社株買い: 実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 信用買い残が大幅に減少しており、売り圧力が強まっています。
- 出来高は低調で、投資家の関心は低いと考えられます。
11. 総評
チタン工業は、酸化チタン分野の老舗企業であり、高機能製品やリチウムイオン電池関連事業に注力しています。しかし、直近の業績は赤字であり、株価も低迷しています。財務状況も改善の余地があり、今後の業績回復が重要です。
* 現時点では、様子見が妥当と考えられます。
* 今後の業績回復と、中期経営計画の進捗状況を注視する必要があります。
* 株価は割安感がありますが、業績の改善が確認されるまでは、積極的な買いは控えるべきでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 4098 |
| 企業名 | チタン工業 |
| URL | http://www.titankogyo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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