1. 企業情報

  • 事業内容

旭ダイヤモンド工業は、ダイヤモンド工具の製造・販売を主力とする企業です。主な製品は、ダイヤモンドホイール、切断砥石、ワイヤーソー、バンドソー、CMPコンディショナー、精密研削砥石、CBNホイール、ドレッサー、ダイヤモンドダイス、切削・研磨工具など。顧客は半導体、自動車、航空機、電子部品、石材など幅広い分野にわたります。海外売上比率は55%とグローバル展開も積極的です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内の位置付け

ダイヤモンド工具業界の最大手の一角であり、国内外で高いシェアを持ちます。特に高精度・高耐久性を求められる半導体、自動車、電子部品分野で強みがあります。
競争優位性と課題

長年の技術蓄積と幅広い製品ラインナップが競争優位性となっています。一方で、汎用品分野では中国・韓国メーカーとの価格競争が激化しており、差別化や高付加価値化が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略

「中期経営計画2025」に基づき、製品開発力の強化、顧客ニーズに応える生産体制の整備、物価上昇に対応した価格改定などを推進しています。
重点分野
– 化合物半導体向け製品の強化
– AI・自動車・航空機分野の需要取り込み
– 海外市場での販売拡大
– 収益性向上のためのコスト管理と価格戦略

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

高精度・高付加価値なダイヤモンド工具の製造・販売が中心。半導体・電子部品など成長分野への対応力が収益安定の鍵です。
市場ニーズへの適応力

顧客の高度化する加工ニーズや新素材対応など、技術開発力を活かして柔軟に対応しています。海外展開も進めており、グローバルな需要変動に対応可能です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向

精密加工・高耐久性・新素材対応などの分野で技術開発を継続。CMPコンディショナーや化合物半導体向け工具など、先端分野向け製品が強みです。
主力製品
– ダイヤモンドホイール
– ダイヤモンドワイヤーソー
– CMPコンディショナー
– 精密研削砥石

これらが収益の柱となっています。

6. 株価の評価

  • バリュエーション指標
    • 株価: 749円
    • 予想PER: 14.86倍(業界平均16.6倍より低い)
    • 実績PBR: 0.63倍(業界平均1.4倍より低い)
    • 予想EPS: 50.42円
    • 実績BPS: 1,186.45円
  • 評価

業界平均と比較して割安感が見られますが、成長性や収益性の観点も合わせて確認が必要です。

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 年初来高値: 935円
    • 年初来安値: 684円
    • 直近株価: 749円
    • 50日移動平均: 800.78円
    • 200日移動平均: 835.11円
  • 現在の位置付け

直近株価は移動平均線を下回っており、年初来安値圏に近い水準です。短期的には下落基調からやや反発の兆しも見られます。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益動向
    • 売上高は横ばい~微減傾向(2022年3月期以降は約380億円前後で推移)
    • 営業利益・純利益は2023年以降減少傾向だが、2025年3月期第3四半期は増益
  • 収益性指標
    • ROE: 3.42%(業界平均より低い)
    • ROA: 2.17%
    • 営業利益率: 6.8%(第3四半期累計)
  • 財務安全性
    • 自己資本比率: 84.2%(非常に高い)
    • 流動比率: 5.14(健全)
    • 有利子負債比率: 3.5%(低水準)
  • キャッシュフロー
    • 現金等資産は豊富(約142億円)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当政策
    • 予想年間配当: 30円
    • 予想配当利回り: 4.01%(高水準)
    • 配当性向: 78.41%(利益還元に積極的)
    • 5年平均配当利回り: 2.81%
  • その他株主還元
    • 自社株買いの実績は限定的
    • 安定配当を重視

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価動向
    • 直近1年で高値から下落傾向(52週変化率:-17.24%)
    • 直近10日間は700円台前半でのもみ合い
  • 投資家動向
    • 信用買残が増加傾向(信用倍率124.95倍と高水準)
    • 機関投資家・信託銀行の保有比率も高い
  • 影響要因
    • 半導体・自動車・AI分野の需要動向
    • 業績回復・配当政策への評価

11. 総評

旭ダイヤモンド工業は、ダイヤモンド工具分野で国内外に高いシェアを持つ老舗メーカーです。財務体質は極めて健全で、安定した配当政策を維持しています。業績面では半導体や自動車分野の需要を取り込みつつ、直近は増益に転じていますが、全体としては横ばい~微減傾向が続いています。株価は割安感があり、配当利回りも高い一方で、成長性や収益性の改善が今後の課題です。株価は安値圏にあり、投資家の注目も配当や業績回復に集まっています。
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(本レポートは情報提供を目的としており、投資判断を推奨するものではありません。)


企業情報

銘柄コード 6140
企業名 旭ダイヤモンド工業
URL http://www.asahidia.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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By シャーロット

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