1. 企業情報

  • 企業名: 株式会社バルカー
  • 事業内容: 工業用シール材(ゴム・金属・ファイバー等)の設計・製造・販売を主力とし、配管や機械の接合部からの液体・気体漏れを防ぐ製品で国内最大手。産業機械、化学プラント、半導体製造装置、自動車、航空宇宙など幅広い業界向けに展開。加えて、機能樹脂製品(フッ素樹脂等)や配管関連部品、断熱材、ベアリング、潤滑剤等も手掛ける。
  • 設立: 1932年4月8日
  • 本社所在地: 東京都品川区大崎2-1-1
  • 従業員数: 1,637人(平均年齢46.9歳、平均年収852万円)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 国内工業用シール材の最大手。特にプラント・半導体製造装置向けで高いシェアを有する。
  • 競争優位性: 長年の技術蓄積と幅広い製品ラインナップ、顧客ニーズに応じたカスタマイズ力が強み。高機能・高信頼性が求められる分野での実績が豊富。
  • 課題: グローバル経済の不透明感、半導体市況の回復遅れ、原材料価格・人件費上昇など外部環境の変動リスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 中期経営計画「New Frontier 2026(NF2026)」を推進。高付加価値製品へのシフト、グローバル展開の強化、デジタルソリューション開発などを重点施策に掲げる。
  • 重点分野: 半導体・電子部品向けの高機能シール材、海外市場(特にアジア・北米)、新規用途開発、サステナビリティ対応。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 産業機械・プラント等の設備投資動向に左右されるが、定期的なメンテナンス需要も安定収益源。半導体・自動車等の成長分野での拡大余地あり。
  • 市場適応力: 顧客ニーズに応じた製品開発力とグローバルな供給体制で、市場環境変化に柔軟に対応。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向: 高温・高圧・耐薬品性など過酷な環境下でも機能するシール材や、フッ素樹脂等の高機能材料開発に注力。デジタルソリューション(IoT活用等)も推進。
  • 主力製品: ソフトガスケット、メタルガスケット、フッ素樹脂シール、配管用樹脂製品など。半導体・化学プラント向け高機能製品が収益を牽引。

6. 株価の評価

  • PER(予想): 10.56倍(業界平均20.4倍と比較し低位)
  • PBR(実績): 1.10倍(業界平均と同水準)
  • EPS(予想): 284.18円
  • BPS(実績): 2,732.51円
  • 株価: 3,000円
  • 評価: 業界平均と比べ割安感が見られるが、利益成長鈍化が背景。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間は2,875~3,005円で推移。年初来高値3,590円、安値2,493円。
  • 移動平均: 50日移動平均3,081円、200日移動平均3,276円。現在株価は両移動平均を下回る。
  • 位置づけ: 直近は安値圏に近く、下落基調から横ばい~やや戻りの動き。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024/3期 61,744百万円(前年比-0.7%)、過去3年で増収基調だが直近は微減。
  • 営業利益: 7,104百万円(前年比-20.0%)、利益率低下傾向。
  • 純利益: 4,909百万円(前年比-27.2%)、減益。
  • ROE: 10.51%(直近実績)、自己資本比率64.7%で財務健全。
  • キャッシュフロー: 営業CFは安定、現預金も潤沢。
  • 利益率: 営業利益率8.71%、純利益率6.16%。
  • 成長性: 直近は減収減益、半導体市況等の影響を受けている。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り: 5.00%(予想)、5年平均4.41%と比較し高水準。
  • 配当性向: 53.68%(利益の半分以上を配当に充当)。
  • 自社株買い: 自己株式保有比率5.75%、機動的な株主還元策を実施。
  • 安定性: 業績変動に応じて配当維持・増配を意識。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向: 52週高値3,590円→現在3,000円(-16.4%)、52週安値2,493円。直近は下落後、横ばい~やや反発。
  • 信用取引: 信用買残高やや減少、信用倍率高め(11.56倍)で個人投資家の関心は一定。
  • 出来高: 直近10日平均47,800株程度で流動性は標準的。
  • 影響要因: 半導体市況、設備投資動向、原材料価格、為替など外部環境の影響大。

11. 総評

バルカーは工業用シール材の国内最大手として、幅広い産業向けに高機能製品を提供しています。財務基盤は堅固で、配当利回りも高水準を維持していますが、直近は半導体市況の低迷や原材料高騰などにより減益傾向が続いています。株価は業界平均と比較して割安感がある一方、成長性の鈍化が意識されています。今後は中期経営計画に基づく高付加価値分野へのシフトやグローバル展開、半導体関連の回復が業績回復のカギとなります。株主還元策も積極的であり、安定配当を志向しています。外部環境の変化に注意しつつ、成長分野での動向が注目されます。


企業情報

銘柄コード 7995
企業名 バルカー
URL http://www.valqua.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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By シャーロット

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