1. 企業情報
ニッキは、自動車用キャブレターで創業した老舗企業です。現在は、CNG（圧縮天然ガス）車向け燃料制御装置や汎用エンジン向け機器を主力としています。ガソリン車向けキャブレターは縮小傾向にあり、電動モーターや燃料電池関連製品など、事業の多角化を進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ニッキは、CNG車向け燃料制御装置や汎用エンジン向け機器の分野で一定のシェアを占めていると考えられます。自動車業界は競争が激しく、技術革新のスピードも速いため、常に競争優位性を維持していく必要があります。ガソリン車からCNG車、さらには電動化へのシフトに対応できるかが、今後の課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
ニッキの経営戦略は、事業の多角化と技術革新に重点を置いていると考えられます。具体的には、CNG車関連製品の強化、電動モーターや燃料電池関連製品の開発、汎用エンジン向け製品の拡充などが挙げられます。中期経営計画については、今回の情報からは具体的な施策や重点分野を特定できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
ニッキの収益モデルは、CNG車向け燃料制御装置や汎用エンジン向け機器の販売が中心です。これらの製品は、環境規制の強化やエネルギー需要の変化に影響を受けやすく、市場ニーズへの適応力が重要になります。電動化の流れの中で、燃料電池関連製品や電動モーターなど、次世代技術への対応が、事業の持続可能性を左右するでしょう。
5. 技術革新と主力製品
ニッキは、燃料制御技術を基盤に、電動モーター、燃料電池関連製品の開発を進めています。主力製品は、CNG車向け燃料制御装置と汎用エンジン向け機器です。これらの製品は、環境性能向上に貢献しており、今後の需要拡大が期待されます。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 9.46倍
- PBR（実績）: 0.37倍
- EPS（会社予想）: 269.15円
- BPS（実績）: 6,871.55円
PERは業界平均（7.3）を上回っています。PBRは業界平均（0.5）を下回っており、割安感があります。EPSとBPSから計算すると、現在の株価は割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は2,460円～2,550円の間で推移しており、安定した動きを見せています。年初来高値（2,650円）に近く、高値圏にあると判断できます。50日移動平均線（2,548.40円）と200日移動平均線（2,556.57円）はほぼ同水準で推移しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は88億円、2023年3月期は88億円、2022年3月期は58億円と、近年増加傾向にあります。
- 営業利益: 2024年3月期は9億円、2023年3月期は11億円、2022年3月期は2億円と、変動が大きいです。
- ROE（実績）: 19.77%と高い水準です。
- 自己資本比率（実績）: 53.6%と財務体質は良好です。
直近の四半期決算では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が減少しており、今後の業績動向に注意が必要です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.32%
- 1株配当（会社予想）: 110.00円
- 配当性向: 10.02%
高い配当利回りは魅力的ですが、業績悪化による減配リスクも考慮する必要があります。自社株買いに関する情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は安定的に推移しており、大きな変動は見られません。出来高も少なく、投資家の関心は低いと考えられます。株価に影響を与える要因としては、業績動向、新製品の開発状況、業界全体の動向などが挙げられます。
11. 総評
ニッキは、CNG車向け燃料制御装置や汎用エンジン向け機器を主力とする企業です。高いROEと良好な財務体質が魅力ですが、直近の業績は減収減益となっており、今後の業績回復が課題です。株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的ですが、今後の業績動向と、電動化への対応に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6042 |
| 企業名 | ニッキ |
| URL | http://www.nikkinet.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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