1. 企業情報
大阪有機化学工業は、有機化学製品を製造・販売する企業です。主な事業内容は以下の通りです。
* 化成品事業: 塗料用樹脂原料や接着剤などに使用されるアクリル酸エステル、バイオマスアクリレートなど。
* 電子材料事業: スマートフォンやタブレットPCなどに使用されるディスプレイデバイスや半導体材料。
* 機能化学品事業: 化粧品原料、インクジェット材料、特殊溶剤など。
独立系企業であり、多品種少量生産を得意としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
大阪有機化学工業は、特殊化学品業界に属しています。詳細な市場シェアの情報は公開されていませんが、アクリル酸エステルや電子材料分野で一定の地位を築いていると考えられます。
競争優位性: 多品種少量生産への対応力、電子材料分野への進出。
課題: 原材料価格の変動、競合他社との差別化。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 新中期経営計画「Progress & Development 2030 (P&D 2030)」を策定し、事業の成長を目指しています。
重点分野:
* 化成品事業: 製品の統廃合、生産効率改善、バイオマス由来製品の拡販。
* 電子材料事業: 最先端半導体材料の開発加速、フォトレジスト材料の新規用途展開。
* 機能化学品事業: 化粧品原料の海外展開強化、高純度特殊溶剤の拡販。
4. 事業モデルの持続可能性
大阪有機化学工業の事業モデルは、多岐にわたる製品ラインナップと、電子材料分野への進出により、市場ニーズの変化に対応しやすいと考えられます。
収益モデル: 顧客ニーズに合わせた製品開発、高付加価値製品の提供。
市場ニーズへの適応力: 電子材料分野への注力、環境対応製品の開発。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 最先端半導体材料の開発、バイオマス由来製品の開発。
主力製品: アクリル酸エステル、ディスプレイデバイス材料、半導体材料、化粧品原料など。
6. 株価の評価
- 株価: 2,429.0円(2025年5月8日終値)
- EPS(会社予想): 168.86円
- PER(会社予想): 14.38倍 (業界平均: 20.4)
- BPS(実績): 2,128.87円
- PBR(実績): 1.14倍 (業界平均: 1.1)
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は上昇傾向にあり、5月8日は高値圏で取引されています。
* 年初来高値: 3,155円
* 年初来安値: 1,949円
* 50日移動平均: 2,426.44円
* 200日移動平均: 2,804.84円
200日移動平均線から乖離しているため、今後の動向に注意が必要です。
8. 財務諸表分析
指標 | 過去12ヶ月 | 2024/11/30 | 2023/11/30 | 2022/11/30 | 2021/11/30 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 (百万円) | 30,936.88 | 32,698.81 | 28,907.19 | 32,236.83 | 35,027.96 |
営業利益 (百万円) | 3,518.25 | 4,608.80 | 3,577.16 | 5,934.53 | 5,852.98 |
経常利益 (百万円) | 4,539.96 | 5,567.57 | 4,455.61 | 6,809.21 | 7,177.04 |
当期純利益 (百万円) | 3,402.00 | 4,044.58 | 3,270.99 | 4,725.90 | 4,998.89 |
ROE (%) | 10.43 | – | – | – | – |
ROA (%) | 6.16 | – | – | – | – |
自己資本比率 (%) | 75.8 | – | – | – | – |
- 売上高: 2021年をピークに減少傾向にありましたが、直近12ヶ月では回復の兆しが見えます。
- 利益: 2024年11月期は増益となっています。
- ROE: 10%を超えており、良好な水準です。
- 自己資本比率: 75.8%と高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 2.80%
- 1株配当(会社予想): 68.00円
- 配当性向: 31.02%
- 株主還元策: 配当を実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間は上昇傾向にあります。
- 株価への影響要因: 業績、新製品開発、市場動向、原材料価格の変動など。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向、信用倍率は13.70倍と高い。
11. 総評
大阪有機化学工業は、特殊化学品分野で安定した事業基盤を持つ企業です。
2025年11月期第1四半期決算では、大幅な増収増益を達成しており、今後の成長も期待できます。
PERは業界平均より低く、割安感があります。
財務体質も良好で、配当も実施しています。
ただし、株価は高値圏にあるため、今後の株価の動向には注意が必要です。
企業情報
銘柄コード | 4187 |
企業名 | 大阪有機化学工業 |
URL | http://www.ooc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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