1. 企業情報

TIS Inc.は、独立系の情報サービス大手で、金融系システムに強みを持つ企業です。主な事業は、ITシステムのコンサルティング、開発、運用・保守など、多岐にわたるITサービスを提供しています。傘下には、インテックなど、複数の企業を抱え、幅広い顧客ニーズに対応しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

TISは、独立系SIer(システムインテグレーター)として、国内ITサービス市場において一定のプレゼンスを有しています。特に金融分野での実績が豊富で、クレジットカード決済システムなど、強みを持つ分野があります。

競争優位性:

  • 金融系システムにおける豊富な実績とノウハウ
  • 幅広いITサービス提供能力
  • 独立系としての柔軟性

課題:

  • 大手SIerとの競争激化
  • 技術革新への迅速な対応
  • 人材確保

3. 経営戦略と重点分野

TISは、2024-2026中期経営計画を策定しています。

主な戦略:

  • デジタルトランスフォーメーション(DX)支援の強化
  • 金融、産業、公共など、重点分野への注力
  • グローバル展開の推進
  • 人材育成と確保

中期経営計画の具体的な施策:

  • 各セグメントにおける収益性の向上
  • 新規顧客の獲得
  • 技術力の強化

4. 事業モデルの持続可能性

TISの事業モデルは、IT需要の拡大とともに成長が見込まれます。

収益モデル:

  • システム開発、運用・保守などの継続的なサービス提供
  • 顧客との長期的な関係構築
  • クラウドサービスなどの新たな収益源の開拓

市場ニーズの変化への適応力:

  • DX推進への対応
  • 最新技術への投資
  • 顧客ニーズへの柔軟な対応

5. 技術革新と主力製品

TISは、技術革新に対応し、顧客の課題解決に貢献するサービスを提供しています。

技術開発の動向:

  • AI、クラウド、セキュリティなどの分野への投資
  • 自社開発サービスの拡充

主力製品・サービス:

  • 金融系システム
  • BPM(ビジネスプロセス管理)
  • クラウドサービス
  • DX支援サービス

6. 株価の評価

現在の株価: 4,239円 (2025年5月8日終値)

主な指標:

  • PER(会社予想): 22.02倍 (業界平均: 23.2)
  • PBR(実績): 2.99倍 (業界平均: 2.3)
  • EPS(会社予想): 210.87円
  • BPS(実績): 1,477.61円

株価の割安性:

  • PERは業界平均を下回っており、割安感があると言える。
  • PBRは業界平均を上回っている。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、株価は上昇傾向にあります。年初来高値4,335円に近づいており、高値圏にあると判断できます。50日移動平均線4,132.10円を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

売上高: 過去12ヶ月で549,004百万円と、堅調に推移しています。

利益:

  • 営業利益: 過去12ヶ月で64,569百万円
  • 当期純利益: 過去12ヶ月で48,873百万円

主な財務指標:

  • ROE(実績): 16.04%
  • ROA(過去12ヶ月): 8.30%
  • 自己資本比率(実績): 59.5%

財務状況の評価:

  • 売上高、利益ともに増加傾向にあり、業績は好調です。
  • ROE、ROAは高く、効率的な経営が行われています。
  • 自己資本比率も高く、財務基盤は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

配当利回り: 1.60%(会社予想)
1株配当: 68.00円(会社予想)
配当性向: 33.50%

株主還元策:

  • 安定的な配当
  • 自己株式取得の可能性

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価の変動傾向:

  • 直近10日間は上昇傾向
  • 52週高値に接近

株価への影響要因:

  • IT投資需要の動向
  • 中期経営計画の進捗
  • 競合他社の動向
  • 金利変動

11. 総評

TISは、金融系システムに強みを持つ独立系SIerであり、安定した業績と高い収益性を誇っています。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドです。中期経営計画に基づき、DX支援や重点分野への注力を進めており、今後の成長も期待できます。ただし、競合との競争激化や、技術革新への対応が課題となります。投資を検討する際には、これらの点を考慮し、ご自身の判断でお願いします。


企業情報

銘柄コード 3626
企業名 TIS
URL http://www.tis.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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