1. 企業情報

概要

TIS株式会社は、独立系の大手ITサービス企業であり、金融業界向けのシステムインテグレーション(SI)に強みを持っています。主な事業は、オファリングサービス、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)、金融IT、産業IT、広域ITソリューションの5つのセグメントで構成され、国内外の幅広い業種にITサービスを提供しています。傘下にはインテックなど複数のグループ会社を持ち、クレジットカードや決済分野で高いシェアを持つほか、製造、流通、公共分野にも展開しています。1971年創業、本社は東京都新宿区。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

TISは独立系SIer(システムインテグレーター)として国内トップクラスの規模を誇り、特に金融分野(クレジットカード・決済)で高い競争力を持っています。グループ力を活かし、地域密着型から大規模プロジェクトまで幅広く対応可能です。

競争優位性と課題

  • 優位性: 金融ITにおける豊富な実績、幅広い顧客基盤、安定した収益構造、クラウドやDX(デジタルトランスフォーメーション)対応力。
  • 課題: 人材確保・育成、競合他社(NTTデータ、SCSK、富士通等)との価格・技術競争、国内IT投資の景気変動リスク。

3. 経営戦略と重点分野

ビジョン・戦略

  • 「ITで社会課題を解決し、持続的成長を目指す」を掲げる。
  • 2024-2026中期経営計画では、DX推進、サービス型ビジネス(SaaS等)拡大、グローバル展開強化、人材投資・多様性推進を重点施策としています。

具体的施策

  • クラウド・AI・データ分析等の先端技術活用
  • 金融・産業分野におけるソリューション深化
  • M&Aやアライアンスによる事業拡大
  • 働き方改革・人材開発

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • システム開発・運用保守のストックビジネス比率が高く、安定した収益基盤を確保。
  • クラウドサービスやアウトソーシング等の拡大で、景気変動リスクを低減。

市場ニーズへの適応力

  • DX・クラウド需要の増加に対応したサービス拡充
  • 金融・製造・公共分野での新規ソリューション展開

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向・独自性

  • AI、IoT、クラウド、データ分析分野への積極投資
  • 独自の決済プラットフォームや業界特化型ソリューションを展開

主力製品・サービス

  • クレジットカード・決済システム
  • 金融機関向け基幹システム
  • 産業向けERP導入・コンサルティング
  • SaaS型業務支援サービス

6. 株価の評価

  • 株価: 4,239円
  • EPS(会社予想): 210.87円
  • PER(会社予想): 22.02倍(業界平均23.2倍よりやや低い)
  • BPS(実績): 1,477.61円
  • PBR(実績): 2.99倍(業界平均2.3倍より高い)

評価

  • PERは業界平均並み~やや割安水準
  • PBRは業界平均より高く、資本効率や成長期待が反映されている

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 4,335円
  • 年初来安値: 3,331円
  • 現在値: 4,239円(高値圏に近い)
  • 50日移動平均: 4,132.10円
  • 200日移動平均: 3,745.74円

推移

  • 直近は上昇トレンドで推移し、高値圏に位置
  • 出来高は安定、信用倍率は0.47倍と売り長

8. 財務諸表分析

売上・利益

  • 売上高(2025年3月期): 571,687百万円(前年比+4.1%)
  • 営業利益: 69,047百万円(前年比+6.9%)
  • 当期純利益: 50,012百万円(前年比+2.3%)

キャッシュフロー

  • 営業CF: 63,748百万円
  • 投資CF: △17,741百万円
  • 財務CF: △27,791百万円

効率性・安全性

  • ROE: 16.04%
  • ROA: 8.3%
  • 自己資本比率: 61.5%
  • 営業利益率: 12.1%

傾向

  • 売上・利益ともに安定成長
  • 財務健全性・資本効率ともに良好

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.60%
  • 1株配当(会社予想): 68.00円
  • 配当性向: 33.5%
  • 自社株買い: 実施の決議あり
  • 配当方針: 安定配当と持続的な増配を重視

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向: 年初来高値圏で推移し、直近10日間も堅調な上昇基調
  • 信用取引: 信用倍率0.47倍(売り長)、機関投資家比率高め(52.3%)
  • 出来高: 安定
  • 影響要因: IT投資需要の拡大、DX関連ニュース、業績見通し、配当・自社株買い発表等

11. 総評

TIS株式会社は、独立系SIerとして金融IT分野を中心に高い競争力を持ち、DX・クラウド等の成長領域にも積極展開しています。売上・利益ともに安定成長を継続し、財務健全性・資本効率も良好です。株価は高値圏にあり、業界平均と比較してPERはやや割安、PBRは高めとなっています。配当方針も安定しており、株主還元策も積極的です。今後もIT投資需要やDX推進の流れを背景に、持続的な成長が期待される企業です。


企業情報

銘柄コード 3626
企業名 TIS
URL http://www.tis.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By シャーロット

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